新版 社会福祉法の解説
『社会福祉法の解説』を全面改訂
本書は2001年に刊行した『社会福祉法の解説』を全面改訂し、社会福祉基礎構造改革以降の20余年にさまざまな改革が行われた社会福祉法制の「今」を解説するものです。
近年ますます多様化・複雑化が進む社会福祉法制
現在の社会福祉法は、地方分権改革の推進、社会福祉法人改革、地域共生社会の実現に向けた諸改革等を経て、多様な要素が盛り込まれた結果、2000年の社会福祉基礎構造改革による社会福祉法の成立当時、130条程度であったものが、270条を超える大きな法律となっています。また、一般財団法人等の規定の準用や、職業安定法の準用など、法体系がより複雑化し、条文解釈の難易度が高まっています。
立法趣旨に踏み込んだ丁寧でわかりやすい解説
本書は、多様化・複雑化が進んだ社会福祉法の特性を踏まえ、法の運用担当者のみならず、福祉実践の現場の担当者や地域住民も含めたさまざまな関係者が、正しく法の趣旨を理解・共有し、法の目指す豊かな地域社会の実現に向けた取組が着実に進められるよう、丁寧でわかりやすい解説に努めました。
編集者から読者へのメッセージ
2001年10月に初版を発行してから約20年がたちました。
この間、多くの方から「改訂版はいつ発行されるのか」という質問をいただきましたが、この20年に亘ってお答えできないままでした。
この新版の発行により、ようやく皆様のご期待にお応えできると思うと、たいへん嬉しく思います。
今回の改訂では、地方分権改革や公益法人改革といった施策領域をまたぐ横断的な改革を盛り込む必要があったこともあり、作業が少し進んでは新たな改正が公布され、頓挫を繰り返すという、困難な道程の連続でした。
そうした困難を乗り越え、遂にできあがった本書は、たいへん評判の良かった初版に勝るとも劣らない内容に仕上がったと思います。単なる条文解説書にとどまらず、制度の在り方を考える視点を随所に盛り込んでおり、これから社会福祉の門を叩こうとする方にも、現に社会福祉の実践に相当の経験を有する方にも、ともにお薦めの1冊です。
本書が、社会福祉実践の一助となることを、心より祈念しています。
主な目次
序
第1編 社会福祉法の意義と改革の進展
第1節 制度創設から社会福祉基礎構造改革に至る経緯
1 我が国の社会福祉制度の変遷
2 社会福祉基礎構造改革の社会的背景
3 社会福祉基礎構造改革の意義
第2節 2000(平成12)年以降の社会福祉制度の展開
1 社会環境の変化
2 社会福祉基礎構造改革以後の主な社会福祉法改正
3 次の時代に向かう社会福祉の基礎構造
第2編 社会福祉法逐条解説
第1章~第13章
附則(抄)
第3編 参考資料
政令・省令・告示/附帯決議/審議会・検討会等関係/参考資料
著者情報
社会福祉法令研究会
編集代表:古都 賢一(ふるいち けんいち)、社会福祉法人全国社会福祉協議会 副会長(元名古屋大学大学院法学研究科 助教授)