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ライオンを飼いたい―障害者支援の手前にあるもの

内容紹介

ゼロから考える、「支援」という営み

「カタカナソーシャルワーク」では現場で支援を実践できないのではないか。措置制度の時代から障害福祉現場に長らく身をおく二人の著者がずっと考えてきた「支援」との向き合い方を、10のテーマに分けて綴ります。
よい支援をしようとすればするほど、「もやもや」がたまっていく。そんな日常を前向きな明日につなげるために、利用者・家族と支援者の間で起こる「支援」という営みについて、考え方のヒントをくれた過去のエピソードを交えながら、さまざまな視点で「支援」を掘り下げていきます。障害者の支援にかかわる方はもちろん、福祉の現場で支援に携わる多くの方に読んでいただきたい一冊です。

編集者から読者へのメッセージ

著者のお二人と知り合ってから20年近く経ちます。おもしろい文章を書く二人を、一冊の本で共同執筆してもらったらおもしろいのではないか、と思い立ったのが3年前の冬。あれから何年も進んでいなかったのに、去年リスタートして原稿が入ったあとは恐ろしいほどのスピードで完成に至りました。
いい支援者であれば、もやもやを持つことは必然である、と二人は話します。人と人がかなり近い距離でかかわるのが福祉現場の支援。相手に敬意を表し、そして自分も大切にされるべき存在であることを知ったら、今背負っている「もやもや」も少し軽くなるのではないかと、そんな願いを込めて編集しました。今回、本書の編集の過程で、知り合う前のお二人それぞれの支援者としてのあゆみを辿ることができました。
本書を読んで、日々の支援についてちょっと振り返ってみる、そんな機会をもっていただけたらうれしいです。

主な目次

序章 基盤となるもの—「福祉とは何か」
障害者支援の手前にあるもの
1 視点:本人主体—「してあげる支援」はいらない
2 視点:意思決定支援—「してあげない支援」は支援なのか
3 視点:ケアマネジメント—支援と支配
4 視点:信頼関係(ラポール)—同感的理解から共感的理解へ
5 視点:寄り添う❶—真に受ける支援
6 視点:寄り添う❷—真に受けないのも、また支援
7 視点:支援者の自己覚知—転回する支援
8 視点:アセスメント—援助関係と専門性
9 視点:インフォーマルとフォーマル—制度と支援
10 視点:不確実性への耐性(ネガティブケイパビリティ)—結論が出ないことを恐れないという専門性

著者情報

大久保 薫(おおくぼ・かおる)
札幌学院大学特別任用教授、社会福祉法人あむ理事、NPO法人北海道地域ケアマネジメントネットワーク代表理事、特定非営利活動法人野中ケアマネジメント研究会代表

大友 愛美(おおとも・よしみ)
特定非営利活動法人ノーマライゼーションサポートセンターこころりんく東川副理事長