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ずれを楽しむ保育 少し変えたらおもしろくなる行事・環境・計画

内容紹介

「ずれ」には積極的な意味があり、保育において重要な視点に

 保育場面で生じるさまざまな“ずれ”を、保育者の関心の高い「遊び・生活」「行事・環境・計画」「研修・学び合い」のテーマでまとめた“「ずれ」を楽しむ保育”シリーズ(全3巻)。本シリーズを読むことで、読者の皆さんが実践での経験に近い学びが効率的に得られ、保育における対応のバリエーション等を増やせることを意図しています。

計画通りにいっていないと感じるとき

 本書のテーマである「行事・環境・計画」においては、まさに、「計画していたこと、ねらいとしていたことと、子どもたちの実際の姿が異なる」ような「ずれ」は、よく見られることだと思います。また、毎年恒例で行ってきた行事や保育が今の子どもたちや保護者のニーズに合っていないと感じることもあると思います。とはいえ、長年続けてきたことを変えるのはなかなか大変です。
 本書では、「ずれ」を感じたときに、どうしたらよいか迷いつつも道を見出した14の事例を紹介しています。目の前で起きていることを活かしてみたり、子どもたちの声に耳を傾けたり、子どもたちに思い切って任せてみることで、子どもたちの主体性が発揮され、子どもも大人もいきいきと楽しめる時間・空間が展開しています。お泊り会の手作り夕食メニューで恒例のカレーをやめてみたら・・・、コロナ禍で園全体での運動会をやめてみたら・・・、子どもが熱中した遊びを片付けずに年度が終わるまで見守ったら・・・。子どもと保育者がともに「おもしろい」保育をつくりだしていった過程が見えてきます。

編集者から読者へのメッセージ

大人の想像を超えた発想力をもつ子どもたち

 保育の場では、常に何かが「ずれ」ているといってよいかもしれません。保育者のねらいと子どもの姿、計画と実態、保育者同士のイメージ、園の環境とやりたいことのミスマッチ、行事のマンネリ化による形骸化…。日々の「ずれ」に対して、気づかずに通り過ぎるか、強引に軌道修正するのか、それとも変えていくのか。これは保育者や園の姿勢にも通じるのかもしれません。本書では、その「ずれ」に気づいて、逆にチャンスとして行事や計画を変えてみた園の事例を紹介しています。ときにびっくりするような子どもたちの主張や行動を、保育者が驚きつつも受け止めていく様子は、子どもたちへのかかわり方の参考にもなります。「行事や環境、日々の計画、このままでいいのかな?」と疑問や違和感を感じたときに、ぜひ参考にしていただきたい本です。

主な目次

第1章 子どもの思いが輝きだす行事・環境・計画

第2章 「ずれ」に気づくことで行事・環境・計画が新しく生まれ変わった14の取り組み

事例1 どんなお泊り保育にする?(上飯田幼稚園)
事例2 星のナビゲーターって何?(文京区立お茶の水女子大学こども園)
事例3 運動会から親子DAYへ(ゆうゆうのもり幼保園)
事例4 はじめてのフェス型プレイデー(ふたばこども園)
事例5 子どもたちの今を伝える「あそび展」(鶴見大学短期大学部附属三松幼稚園)
事例6 「表現遊びの会」って何だろう?(文京区立お茶の水女子大学こども園)
事例7 環境やかかわり方を変えてみると(文京区立お茶の水女子大学こども園)
事例8 子どもたちと一緒に環境を変えてみた!(上飯田幼稚園)
事例9 給食のやり方を見直してみたら(文京区立お茶の水女子大学こども園)
事例10 豆まきからきな粉作りへ(金港幼稚園)
事例11 異年齢が交流する行事 子どもたちは楽しめている?(金港幼稚園)
事例12 変化し、つながる子どもの姿(鶴見大学短期大学部附属三松幼稚園)
事例13 保護者も思わず夢中になる(文京区立お茶の水女子大学こども園)
事例14 地域と「ともに」創っていく保育の営み(南片江こども園)

座談会 「答え」は目の前の子どもたちの中にある

著者情報

宮里暁美(みやさと・あけみ)
お茶の水女子大学お茶大アカデミック・プロダクション寄附講座教授

田島大輔(たじま・だいすけ)
和洋女子大学人文学部こども発達学科助教

芝崎恵子(しばさき・けいこ)
学校法人金港学園 金港幼稚園園長