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自閉症の僕が家を建てた理由
家族で考えた自立のかたち

内容紹介

 著者の池田侑生さんは、3歳のときに「自閉傾向のある発達遅滞」と診断を受けました。その侑生さんが高校を卒業する少し前に、「20歳になったら、僕の働くところの近くにアパートを借りて自立します」と宣言したところから、この本は始まります。
 母の信子さんは侑生さんが生後数か月のころから「何かが違う」と感じ、健診のたびにその違和感を訴えましたが、「様子見」と言われることが多かったそうです。そこから診断にたどり着いた経緯、その後の学校生活と家庭での暮らし、冒頭の宣言、就職、そして25歳のときの「家を建てる」という決心、その後の暮らしを、信子さん、兄の晃汰さん、侑生さんにかかわってきた方々のコラムで丁寧に綴ります。

編集者から読者へのメッセージ

 本書には、家を建てるということを通して実現した侑生さんの自立の物語が描かれています。働くことは人として生きること、でも、休日を大切にすることも人として大切だと語る侑生さんは、どのように育ってきたのか、また家族はどのようにかかわり、自立を後押ししてきたのかがわかる内容となっています。
 巻末のQ&Aでは、家の建設資金にまつわることや日常の金銭管理についてもオープンにしてくださっていますので、発達障害のあるお子さんの子育てや成人後の暮らしを知りたい保護者をはじめ、支援者など、さまざまな立場の方に読んでいただけると幸いです。

主な目次

はじめに
第1章 僕が家を建てた理由
第2章 働くことと自立
第3章 進路・選択  僕が歩んだ人生
第4章 家族のかかわり  家族に無条件に認められること
第5章 家を建てた後のこと  生き続けるために
読者が知りたいQ&A  家を建てるお金はどうやって準備しましたか? など
おわりに

著者情報

池田侑生(いけだゆうき)
岩田こども園用務員
平成3年8月5日生まれ。平成6年10月、名古屋みなみこども診療所で「自閉傾向のある発達遅滞」と診断される。
愛知県立半田養護学校(現・愛知県立大府もちのき特別支援学校)桃花校舎卒業後、障害者雇用で製紙会社の工場にて10年勤務する。就労移行支援事業所あいびっと豊橋を経て、令和3年3月1日より現職。

池田信子(いけだのぶこ)
合同会社Spes代表社員
社会福祉士・公認心理師・保育士
昭和37年生まれ。社会福祉学修士。聖隷クリストファー大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程在籍。聖隷クリストファー大学、常葉大学、豊橋創造大学短期大学部、人間環境大学、他専門学校の非常勤講師。桜丘高校スクールソーシャルワーカー。
幼稚園教諭、タウン誌編集者を経て結婚。平成16年、愛知県東三河地域で「発達障害の子どもと家族を支援する会『ほがらか』」を立ち上げ、事務局長を務める。現在は児童発達支援や親と子どもの健全育成事業を行っている。