メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

外国につながる子どもの保育とクラスづくり
心と言葉をはぐくむ多文化保育

内容紹介

本書の特徴

  • ・本書は、外国につながる子どもの保育・教育を長年研究し、各地の園の実践にもかかわってきた第一人者のおひとり、内田千春先生による集大成です。従来、最優先だった保護者との意思疎通や文化・習慣への対応のみならず、子ども自身の情緒的・心理的な発達、社会性の発達、そして言語の獲得という面から、幼児の姿をとらえて確認・支援することを提唱しています。
  • ・特に4章、6章では、言葉の発達のチェックポイントも充実しており、子どもの状態に応じた支援について細やかな解説がなされています。
  • ・多言語のリーフレットやホームページなど(日本の保育や学校制度のガイド、生活に役立つ情報等)、イスラム教徒のハラール食への対応法、翻訳アプリの紹介など、脚注や巻末資料に公開されているURLやQRコードを掲載していますので、今日からすぐに活用できます。
  • ・各章の最後には「ミニワーク」、8章にはQ&Aがあります。園内研修や保育者養成校でも活用できます。コラムや事例も充実しており、具体的な子どもの姿や保護者・保育者の困りごと、解決法なども理解することができます。

本書で取り上げる主な支援内容

  • ・外国につながる子どもや保護者とのコミュニケーション
  • ・学齢期に向けた子どもの言葉・心の育ちの支援
  • ・母国、母語、母文化に親しむ環境づくり
  • ・保育者のかかわりを通した子ども同士の関係づくり
  • ・様々な文化、宗教、習慣への理解と保育の見直し
  • ・架け橋期の子育て支援や小学校文化の情報提供
  • ・多言語ツールなど役立つ情報(巻末資料・QRコード付) など

編集者から読者へのメッセージ

すべての子どもへの保育・教育につながる

  • ・外国につながる子どもが、母文化への親しみや誇りを維持することは、自身のアイデンティティを支え、自己肯定感を高め、家族への親しみ・信頼を維持することにもつながるので、日本の園でも、子どもたちの母文化を理解して、環境や遊び・絵本に取り入れたり、保護者に依頼して文化を紹介してもらったりすることがとても有益だそうです。本書にはそうした具体例を多く紹介しています。
  • ・園だけで抱え込まず、地域や自治体、保護者らを上手に頼って、外国につながる子どもがいることを強みとして活かし、園の保育を豊かにしていくことができれば、周りの子どもたちにとってもインクルーシブな社会・世界に触れるよい経験となることでしょう。

主な目次

第1章 多文化保育が求められる背景
 第1節 日本にいる外国にルーツをもつ人々
 第2節 近代の歴史から在留外国人についてとらえる
第2章 外国につながる子どもたちの受け入れ期の保育実践
 第1節 多様な言語背景をもつ子どもたちを受け入れる際の課題と現状
 第2節 受け入れ期にできること
 第3節 保育や教育の「当たり前」をとらえ直す
第3章 一人ひとりの子どもの思いをとらえる多文化共生のクラスづくり
 第1節 違いに対する戸惑いを受け止める
 第2節 園全体で考え、長期的な視点をもって取り組む
 第3節 互いを大切にする気持ちを育てる保育を目指して
第4章 外国につながる子どもたちの言葉を育む
 第1節 言葉の育ちと心の育ち
 第2節 複言の言語がある環境での発達
 第3節 生活に慣れてきたら~日本語の力を育む工夫を考える
第5章 保護者や地域コミュニティとの連携
 第1節 受け入れ時の準備
 第2節 文化的・宗教的なバックグラウンドの把握
 第3節 基本的な配慮は言語・文化が異なっていても同じ
第6章 架け橋期の保育と子育ての支援
 第1節 保護者への後方支援
 第2節 子どもへの支援
第7章 事例を通して考える-「受け入れ」から共に生きる仲間へ
 第1節 出会いと信頼関係の構築
 第2節 海外の状況
第8章 外国につながる子どもと家庭 よくあるQ&A
巻末資料

著者情報

内田 千春(うちだ ちはる)
東洋大学 福祉社会デザイン学部子ども支援学科 教授
東洋大学大学院 ライフデザイン学研究科 教授
名古屋大学教育学部卒。オハイオ州立大学大学院人間生態学部、同大学院教育学部卒。博士(教育)[Ph.D.(Education)]。オハイオ大学助教授、名古屋女子大学講師、共栄大学教育学部准教授・教授、東洋大学ライフデザイン学部教授等を経て、現職。
主な研究分野は、保育、幼児教育、多文化教育・保育、多様な背景をもつ子どもや家族への支援、教員・保育者養成教育、インクルージョンなど。