メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

10のスキルで防ぐ!「不適切保育」脱却ハンドブック
園で役立つ知識とあの手・この手

内容紹介

本書の概要

 好評既刊『言葉かけから見直す 「不適切な保育」脱却のススメ』の姉妹本が登場!
 令和5年5月、こども家庭庁より『保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等 に関するガイドライン』が発出されたことにより、それまで「正解はない」と言われて曖昧になっていたかかわり方に対して「不適切」はあるということが明確になりました。不適切な保育という言葉と事象ばかりが世間では話題になり、「自分の保育は大丈夫か?」と迷いや不安の中にいる方も多いのではないでしょうか。
 子どもの命を預かる専門職として、手を抜くことも、子どもに無理をさせることもできません。「私はこれが苦手…」「今日は何だかイライラする」など、頭でわかっていても、思うようにならないことにたくさんぶつかります。現場の保育者に必要なのは技術的な(本書では主に言葉の使い方)「スキルアップ」をしていくことと、基本的な考え方「マインドセット」を問い直してみることであり、これらが保育者のゆとりを生み出す力となります。
 本書では、基本的なスキルアップのポイントを10のテーマに整理し、適切なかかわりの「あの手・この手」の実践例について現場で活躍する仲間からの声として集め、イメージしやすいように表現してみました。

編集者から読者へのメッセージ

 本書を制作している最中も、連日のように保育者による不適切な保育が報道されています。社会の目が厳しくなったと同時に、保育者に対する期待の表れといえるでしょう。
 令和5年5月に発出されたガイドラインからは、不適切な保育と適切な保育の明確な線引きを判断することはできませんが、日々の保育の振り返りを通して省察することが必要です。
 本書は「園で使える」をキーワードに、ガイドラインの解説、日々の保育の工夫、研修の工夫という3本柱で構成しています。前作が不適切な保育の予防~発生~対策という一連の流れを示したのに対し、本作は日々の保育から不適切な保育を防ぐという「予防」に力点を置いています。現場の保育者の方々が日常的に使えるよう工夫していますので、振り返りや園内研修で活用していただければと思います。

主な目次

第1章 ガイドラインを読み解こう
1 ガイドラインの考え方
2 ガイドラインが示された背景
3 「不適切な保育」や「虐待等」の考え方
4 保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応に関して、保育所等や自治体に求められること

第2章 スキル別 不適切な保育へのあの手・この手
スキル1 根気よく
スキル2 落ち着いて
スキル3 演じる
スキル4 問いかける
スキル5 環境設定
スキル6 共感
スキル7 肯定的な言葉
スキル8 小さな声
スキル9 少しだけ
スキル10 こどもまんなか

第3章 すきま時間にできるスキルアップワーク
スキルアップトレーニング 考えてみよう やってみよう『あの手・この手』
ワーク1 適切な保育・不適切な保育 境界線はどこ?
ワーク2 振り返りから「あの手・この手」から見えてくる
ワーク3 言葉の引き出しを増やす
ワーク4 受容的なかかわりの効果を学ぶ
ワーク5 コンプリートセンテンスを意識した話し方

著者情報

菊地奈津美(きくち・なつみ)
こどもの王国保育園 西池袋園園長。東京学芸大学芸の森保育園で主任保育士兼研究員として勤務。2017年にこどもの王国保育園を設立、現在に至る。YouTubeチャンネル「ちょび園長の保育・子育て応援TV」にて保育の情報を発信中。著書に『保育のあるあるなお悩みを一気に解決!0・1・2歳児担任のためのお仕事Q&A 』(明治図書)、『楽しみながら成長できる保育リーダーの教科書』(中央法規出版)がある。

著者の菊地先生から、発刊に際したメッセージ動画を紹介します。

河合清美(かわい・きよみ)
NPO法人こども発達実践協議会代表理事、東京都認可保育園園長、星美学園短期大学特別講師。2016年、保護者と保育士に向けたサポートや学びの機会づくりをすべくNPO法人こども発達実践協議会を設立し、代表理事となる。現在は、東京都認可園園長を務めながら、豊富な現場経験を活かして保育実践や保育士コミュニケーション研修の講師として登壇。