三訂 失語症の人と話そう
失語症の理解と豊かなコミュニケーションのために
内容紹介
失語症の人とのコミュニケーションが基礎からわかる1冊です。前半の知識編は、失語症の基本的知識やリハビリテーションの流れ、活用できる社会資源を紹介。後半の実践編では、コミュニケーションのポイントや留意点を具体的な場面設定で演習できます。スマホの活用やオンラインサロンの事例も収載しています。
編集者から読者へのメッセージ
全国の失語症者向け意思疎通支援者必携の副読本――「失語症の人と話す」ためのコミュニケーション方法を解説した数少ない書籍である本書が、今回16年ぶりに第3版を出版することとなりました。この1冊で失語症について学びつつ、読み進めるうちに失語症の人々との対話方法を自然と身につけることができます。
旧版の発行から16年の歳月が流れ、その間にスマートフォンやタブレットが一般化し、失語症の人々もこれらを活用してオンラインサロンやSNSなどでコミュニケーションをとることが普通になりました。また、制度面でも「意思疎通支援事業」の開始など、法制度や統計数値の更新をもれなく反映し、デジタルテクノロジーの普及がもたらす新たなコミュニケーション形式に対応した内容にアップデートしました。
「会話は協同作業です。失語症の人は社会で暮らすために必死に伝えようとします。周囲の人々は失語症の正しい基礎知識を獲得し、適切な会話技術を系統的に学び、具体的な場面を想定した練習を通じて、彼らの思いを受け取りましょう。本書はその役に立ちます」(世田谷講演前クリニック 長谷川 幹氏推薦!!)
主な目次
第1章 失語症って何ですか?
第1節 失語症の原因
第2節 失語症の特徴
第3節 失語症のタイプ
第4節 失語症と一緒に起こりやすい症状
第5節 病前と同じように保たれる側面
第6節 失語症と間違えやすい他の障害
第2章 リハビリテーションと社会資源の活用
第1節 失語症リハビリテーションの目的
第2節 入院中のリハビリテーション
第3節 退院後の生活
第4節 福祉サービスの基礎知識
第3章 失語症から起こるさまざまな問題
第1節 障害が理解されにくい
第2節 交流が少なく,孤立しがち
第3節 自分に自信がもてない
第4節 家族の悩みも大きい
第5節 失語症の社会的課題
第4章 コミュニケーションの工夫や手段
第1節 豊かなコミュニケーションのための心構え
第2節 コミュニケーションの基本姿勢
第3節 会話の基本
第4節 話し言葉の工夫
第5節 いろいろな手段や道具の活用
第6節 確認の仕方
第7節 さあ,話しましょう
第5章 コミュニケーションの実践
第1節 コミュニケーションの実際
第2節 失語症の人と話そう!
第3節 失語症会話パートナーとNPO法人 和音
コラム1 高次脳機能障害と失語症はどう違う?
コラム2 失語症は,日本に居ながら外国に居るようなもの!?
コラム3 言葉がうまく出てこないくやしさ
コラム4 地域包括支援センターを知ってますか?
コラム5 身体障害者手帳の第1種と第2種
コラム6 仲間とのおしゃべりは楽しい
著者情報
NPO法人 言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会 和音=編集
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三訂 失語症の人と話そう
失語症の理解と豊かなコミュニケーションのために判型:B5
頁数:228頁
価格:2,860円(税込)
発行日:2024/6/30