「こどもかいぎ」のトリセツ
内容紹介
映画『こどもかいぎ』の監督が「こどもかいぎ」実践のノウハウ、コツを集大成した一冊
映画監督の豪田トモ氏は、映画『こどもかいぎ』製作を通して、幼少期からの「対話」の可能性や大切さを実感しました。保育園などでの上映会でも、「こどもかいぎ」の実践方法やコツがわかる書籍を求める声が多かったことから、書籍化が実現。映画を通して、子どもたちが十分に「対話」や「話し合い」をできることは実証済み。みなさんも「こどもかいぎ」をはじめてみませんか?
こどもたちの「対話」の目的とは?
「こどもかいぎ」とは、子どもが輪になって対話活動をすること。でも、これはおしゃべり上手な子どもを育てることが目的ではありません。変化の激しい時代、社会もより複雑になっています。紛争や差別、搾取や貧困、虐待や自殺、いじめや不登校など、子どもたちを取り巻く課題は山積しています。そんな「正解のない世界」で生きていくためには、考えを言葉にしたり、相手の話に耳を傾けたりする「対話力」、周りに助けを求める力を身につけることは、大切なことです。言葉で分かり合い、自分も他者も大切にできる人間性を育むこと、幸せに生きる人を増やし、日本や世界の未来を明るくすること。これが「対話」の最終目的だと言えます。
「こどもかいぎ」の運営方法がわかる!
映画『こどもかいぎ』の製作とWEB版の「こどもかいぎトリセツ」の製作を通して、コミュニケーションや幼児教育などの専門家たちの知見もミックスして、トリセツを編み出しました。どんなことから取り組めばよいか、始め方や終わり方、トピックの選び方、うまくいかないときの対処法、注意点、ハプニングの楽しみ方、Q&Aなど、わかりやすく、楽しくお伝えします。対話活動に取り組む園の事例や、実際の子どもたちの対話例など、実際のイメージもよくわかります。
編集者から読者へのメッセージ
実は、大人の「対話力」も試されています
大人のみなさんも「対話」できていますか?「夫婦ゲンカ」ではなく、「夫婦での対話」ができていますか?子育ての際に、つい上から言いくるめて、子どもが思い通りにならないと怒ったりしていませんか?・・・なんとも耳の痛い話です。こんな私がこの本の編集担当でよいのだろうか、周りの人や子どもときちんと向き合えているだろうか、と自問しながらの半年を過ごしました。
子どもたちとともに、大人も、「おとなかいぎ」ができるようになりたいものですね。パートナーや友人、同僚や地域の人、ひいては国と国も、言葉で分かり合える力をみんなが身につけたら、きっと、日本の、世界の未来は変わります!
主な目次
監修の言葉
はじめに
第1章 「こどもかいぎ」って何ですか?
第2章 みんなはどんな「対話の場」を作っているの~? 事例紹介しちゃいます!
第3章 なぜ「対話」なのか? 効果がスゴいんです!
第4章 「こどもかいぎ」の運営方法(ファシリテーション
)
第5章 話し合うトピック
第6章 「こどもかいぎ」運営のご注意点
第7章 子どもたちとの対話例と解説
第8章 「こんな時どうする?」ハプニングを楽しむ方法
おわりに
映画の紹介
こどもかいぎのトリセツまとめ集
こどもかいぎのトリセツ制作に関わった人たち
著者情報
著者・豪田トモ(ごうだ・とも)
映画監督。命と家族をテーマとしたドキュメンタリー映画『うまれる』(2010年)、『ずっと、いっしょ。』(2014年)、『ママをやめてもいいですか!?』(2020年)は累計100万人以上を動員。2022年に映画『こどもかいぎ』を公開。2019年に初の小説『オネエ産婦人科』(サンマーク出版)を刊行。著書に『子どもが対話する保育「サークルタイム」のすすめ』(2022年/小学館・共著)、『うまれる かけがえのない、あなたへ』(2010年/PHP研究所)等がある。
監修者・成川宏子(なりかわ・ひろこ)
NPO法人フローレンスみんなのみらいをつくる保育園東雲園長。12年ほど幼稚園等に勤務。2010年に認定NPO法人フローレンスに入職し保育スタッフとして勤務し、3園の園長を経験する。2017年度から現職。法人の保育施設全体で「シチズンシップ保育」を実践しており、「サークルタイム」や「ピースフルスクール・プログラム」に取り組んでいる。