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これで防げる! 学校体育・スポーツ事故
―科学的視点で考える実践へのヒント―

内容紹介

――コピペのように同じことが起きている。だから、防げる。
「スポーツにけがはつきもの」で済ませないための、データにもとづく処方箋!
内田良(名古屋大学教授)
――学校体育・スポーツ事故という「負の学校遺産」。未来に同じ轍を踏まないための分析と実践に期待! 大河原嘉朗(日本中学校体育連盟専務理事)

 なぜ痛ましい事故は繰り返し起こってしまうのか――。本書では、小学校・中学校・高校をはじめ、未就学も含む教育施設における、体育の授業や部活動、校外学習等の学校体育・スポーツ事故について、日本スポーツ振興センター(JSC)が有する膨大なデータ、これまでの判例をもとに、事故事例を科学的に検証し、データを詳細に分析して、予防に向けた具体的な方法について提案しています。体育や部活動、校外学習等を安全に実施し、危険を回避するために、教員等の学校関係者やスポーツ関係者、自治体、弁護士、メーカー等はどう取り組めばよいのか、また何に留意すればよいのかがわかります。

編集者から読者へのメッセージ

 小学校、中学校、高校、また未就学の子どもが通う保育施設における体育の授業や部活動、校外学習等での痛ましい事故は繰り返し発生しています。
 本書は、そうした学校体育・スポーツ事故をなくすことを目的として活動する、日本スポーツ法支援・研究センター、日本中学校体育連盟、NPO法人Safe Kids Japan、日本スポーツ法学会が主催する「これで防げる!学校体育・スポーツ事故シンポジウム」で取り上げた事故を中心に、繰り返し生じている学校体育・スポーツ事故などについても幅広く収載し、学校関係者・スポーツ関係者に提供しようとまとめた書籍になります。
 本書の製作において、事故が多いスポーツ活動、事故が繰り返されているスポーツ活動を調べて、日本スポーツ振興センター(JSC)の重大事故データベースを分析し、判例の検索を行い、事故防止に判例が果たす役割や新たな課題等についても多くの議論を重ねていただきました。そうしたことにより、執筆の準備を進めていくなかで、“この競技には、こんな事故がこんなに多く生じていたのか!”という気づきもあり、より充実した内容に作り上げることができたと感じています。
 もちろん、本書の刊行後も、事故防止に向けたシンポジウム等の活動は継続します。そのため、本書の出版はあくまでも一区切りといえますが、避けられる事故がなくなるための礎として役に立つものと考えています。

主な目次

第1章 どうして学校体育・スポーツ事故は繰り返されるのか

第2章 学校体育・スポーツ事故の現状と事故予防(1)
―科学的な実験・検証・データ分析をした8事例
1 サッカーゴールの転倒事故/2 ムカデ競争の事故/3 組立体操の事故/4 野球の事故/5 水泳の事故/6 跳び箱運動の事故/7 ヘディングの事故/8 体育館における事故

第3章 学校体育・スポーツ事故の現状と事故予防(2)
―事故データを詳細に分析した12事例
1 施設・運動場等の複数同時使用に関連した事故/2 公道でのスポーツ事故/3 海・湖・川・水路/ハイキング・遠足での事故/4 乳幼児(0~6歳)の事故/5 熱中症に関連した事故/6 バスケットボールの事故/7 鉄棒・マット運動・体操競技の事故/8 柔道の事故/9 バレーボールの事故/10 バドミントンの事故/11 テニスの事故/12 ラグビーの事故

第4章 学校安全のための安全知識循環システム
―発達段階の児童のための環境デザイン

第5章 報道の現場から

著者情報

編集 望月浩一郎◎
 (弁護士・日本スポーツ法学会事故判例研究専門委員会前委員長)
山中龍宏◎
 (小児科医・NPO法人Safe Kids Japan理事長)
菊山直幸◎
 (元中学校長・公益財団法人日本中学校体育連盟参与・前専務理事)
阿部新治郞 (弁護士・神奈川県)
飯田研吾 (弁護士・東京都)
多賀啓 (弁護士・東京都)
(※◎は編集代表)