母性看護学実習ハンドブック
内容紹介
実習前・中・後の学生の不安や負担を和らげる
少子化・核家族化の影響等もあり、現在の多くの看護学生は妊婦や褥婦、新生児にかかわる機会は少なく、実習時に初めて母子にかかわるということが多くなっています。そのようななかで迎える「母性看護学実習」に、多くの学生は不安や戸惑いを覚えているのではないでしょうか。
そこで本書では、実習時の心構えや学生が不安に思うことへの対応等について、Q&Aなどを提示してわかりやすく紹介し、実習前・中・後の負担や不安の軽減ができるように工夫しました。
また、妊娠はダイナミックに変化していくものですが、他領域とは異なり、母性看護学では「正常」をしっかりととらえて看護過程を展開していく必要があります。母性看護学に特有な視点をおさえ、看護過程の展開に必要なアセスメント・看護計画のポイントを丁寧に記載した本書は、実習中はもちろんのこと、実習後にも活用できる一冊となっています。
本書の特徴
- ★「正常」をしっかりととらえるために必要な基本知識がわかる
- ★実習の心構え・母子や家族とかかわる際の具体的ポイントがわかる
- ★学びの多い実習にするためにおさえておくべき視点がわかる
- ★妊娠・分娩・産褥・新生児期における母子・家族の変化と適応がみえる
- ★看護過程の展開に必要なアセスメント・看護計画のポイントを丁寧に記載
- ★ウェルネス志向型で看護を展開するために必要な視点がわかる
- ★Q&Aで実習の不安や疑問を解消できる
- ★実習で受け持たれた母親の声、先輩看護師の実習時の体験談も収載
編集者から読者へのメッセージ
母性看護学は妊娠・出産・育児を中心とした女性の生涯をケアする看護学ですが、対象は周産期にある女性とその子どもだけではなく、女性を取り巻く家族や地域社会も対象に含まれます。そのため、母性看護学の知識・技術は母性看護学実習科目に役立つだけでなく、他科目の理解を進めるために必要となりますし、もちろん、看護師国家試験のためにも必要です。
男子学生のなかには、産婦人科には就職しないからと、母性看護学を学ぶことや臨地実習に消極的になる人もいるかもしれませんが、看護師としての役割だけでなく、男性として、父親として、対象やその家族を支援できることや知識を基盤に女性を深く理解できるのは、強みになるのではないでしょうか。
ぜひ本書を活用して、ダイナミックな変化に富む母性看護学実習を充実したものにしてください。
主な目次
はじめに
第1部 実習で困らない! 母性看護学実習の基本
第1章 母性看護学実習の心構えと倫理
1 母性看護学実習の心構え
2 個人情報とプライバシーの保護
コラム 男子学生が母性看護学実習で学ぶこと
第2章 教員/実習指導者からみた学びの多い実習とは
1 学びの多い実習にするために必要な視点
2 実習でおさえておくべきポイント
コラム 母性看護学実習で学生に受け持ちをされた母親の体験
コラム 母性看護学実習を体験した先輩のエピソード
第2部 母性看護学で用いるアセスメント/看護計画
第1章 妊娠期のアセスメントと看護計画
1 妊娠初期のアセスメント
2 妊娠初期の看護計画
3 妊娠中期のアセスメント
4 妊娠中期の看護計画
5 妊娠後期のアセスメント
6 妊娠後期の看護計画
第2章 分娩期のアセスメントとケア技術
1 分娩期にある産婦と児の理解
2 分娩各期のアセスメントとケア
第3章 産褥期のアセスメントとケア技術
1 退行性変化のアセスメント
2 産褥期の看護計画
3 母乳育児のアセスメント
4 母乳育児に対する看護計画
5 母親役割獲得のアセスメント
6 母親役割獲得の看護計画
7 家族役割再調整のアセスメント
8 家族役割再調整の看護計画
9 退院に向けての生活調整
第4章 新生児のアセスメントとケア技術
1 出生直後のアセスメント
2 出生直後の看護計画
3 入院中のアセスメント
4 入院中の看護計画
第3部 母性看護学実習に必要な特有の知識―対象者と場を理解する
第1章 母性看護学の対象者を理解しよう
1 母性看護学の対象と看護の展開
2 家族への支援
第2章 母性看護学の場を理解しよう
1 外来
2 病棟
3 産前・産後の集団指導を行う場
第4部 こんなとき、どうする!? 実習で困ったときのQ&A
1 実習開始前
Q1 事前学習は何をしておけばよいですか?
Q2 実習目標はどのように立てればよいですか?
Q3 血を見るのが怖いのですが…
Q4 実習中の持ち物は何ですか?
Q5 赤ちゃんに触るのが怖いのですが…
Q6 体調に関して特に気をつけておくべきことはありますか?
Q7 実習前日にしておくべきことを教えてください。
2 実習中
Q8 遅刻をしそうなときはどうすればよいですか?
Q9 朝、体調が悪いときはどのように判断すればよいですか?
Q10 どのような体調不良の症状があるときに連絡をすべきですか?
Q11 身だしなみで気をつけることはありますか?
Q12 実習前後の挨拶では何を言えばよいですか?
Q13 実習中に体調が悪くなったらどうすればよいですか?
Q14 実習指導者が忙しそうでなかなか声をかけられません…
Q15 朝の申し送りで何を聞いたらよいのかわかりません…
Q16 お昼休憩に行くタイミングがわかりません…
Q17 実習指導者との関係をどう築けばよいですか?
Q18 カンファレンスのテーマはどのように決めればよいですか?
Q19 グループカンファレンスで話がつなげられません…
Q20 最終カンファレンスで何を話せばよいのかわかりません…
Q21 実習最終日にすべきことはありますか?
3 記録等
Q22 日々の目標に何を書けばよいのかわかりません…
Q23 日々の学びに何を書けばよいのかわかりません…
Q24 最終レポートではどういったことを書けばよいのでしょうか?
Q25 自己評価をどのようにつければよいのかわかりません…
著者情報
編集
細坂泰子(ほそさか・やすこ)
慶應義塾大学看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科教授
執筆者(五十音順)
浅川友祈子(あさかわ・ゆいこ)
東京慈恵会医科大学医学部看護学科助教
池下貴子(いけした・たかこ)
慶應義塾大学看護医療学部助教
辻 恵子(つじ・けいこ)
慶應義塾大学看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科准教授
西 佳子(にし・けいこ)
北里大学看護学部/大学院看護学研究科講師
濱田真由美(はまだ・まゆみ)
東京慈恵会医科大学医学部看護学科/大学院医学研究科准教授
細坂泰子(ほそさか・やすこ)
慶應義塾大学看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科教授
宮内清子(みやうち・きよこ)
愛媛大学大学院医学系研究科/医学部看護学科教授