国家試験を突破して精神保健福祉士の資格を取得した合格者の皆さんに、合格までの道のりをご紹介いただきます。効果的な勉強法や忙しいなかでの時間のつくり方、実際に資格を手にして思うことなど、受験者が参考にしたい話が満載です。
第23回 山本大(やまもと・まさる)さん
平成24年度試験合格
プロフィール
受験の動機
練馬区内の複数の生活介護施設を13年間勤めた後、平成22年より福祉事務所の生活保護ケースワーカーとして勤務を開始しました。業務のなかでは、子どもから高齢者、知的障害者、精神障害者、母子世帯等、さまざまな対象者と出会いました。専門資格については社会福祉士一本と考えていたため、当初、精神保健福祉士の資格は頭にありませんでした。
しかし、ケースワーカーだけでは問題の解決や改善が困難な精神障害のある事例にたびたび遭遇するようになりました。そのなかで、精神保健福祉士資格を持つ福祉事務所の支援員や保健所の保健師等と連携して支援することで、より的確な助言や支援ができないだろうか、ケースワーカーである自分自身も精神障害のある方とのかかわりを振り返れるのではないかとの思いを持つようになりました。ケースワーカー3年目の春でした。やがて、自分自身が一度挑戦してみようかとの思いを持つに至りました。
精神保健福祉士資格のコースをもつ東京福祉保育専門学校からパンフレットの資料を請求し、気持ちもグッとのってきて入学。レポート、スクーリングという流れで、あれよあれよと精神保健福祉士への挑戦が始まりました。実習が実務経験からすべて免除となったことは、難しい課程を勉強する上でせめてもの救いでした。
しかし、ケースワーカーだけでは問題の解決や改善が困難な精神障害のある事例にたびたび遭遇するようになりました。そのなかで、精神保健福祉士資格を持つ福祉事務所の支援員や保健所の保健師等と連携して支援することで、より的確な助言や支援ができないだろうか、ケースワーカーである自分自身も精神障害のある方とのかかわりを振り返れるのではないかとの思いを持つようになりました。ケースワーカー3年目の春でした。やがて、自分自身が一度挑戦してみようかとの思いを持つに至りました。
精神保健福祉士資格のコースをもつ東京福祉保育専門学校からパンフレットの資料を請求し、気持ちもグッとのってきて入学。レポート、スクーリングという流れで、あれよあれよと精神保健福祉士への挑戦が始まりました。実習が実務経験からすべて免除となったことは、難しい課程を勉強する上でせめてもの救いでした。
受験へのスケジュール
受験に向けたステップは、大まかに以下の流れでした。勉強に使った教材や勉強方法は後述します。
●2012年 | 4月 | 東京福祉保育専門学校(東京都豊島区)に入学。早速、レポートを開始する。 |
●2012年 | 7月 | 同校で7日間スクーリング。思った以上に厳しかった……(汗)。 |
●2012年 | 11月 | 同校の受験対策講座を受講。日本精神保健福祉士養成校協会主催の模擬試験を受験。 |
●2012年 | 12月 | 日総研主催の模擬試験を受験。 |
●2013年 | 1月 | 中央法規出版主催の直前対策講座を受講。 |
勉強方法―― 一人では難しく、グループの力を活用
はじめは『精神保健福祉士完全合格テキスト』(翔泳社)しか購入しておらず、5月くらいから漠然と読み始めました。学校の課題のレポートは月に1本の割合で書いていましたが、テキストに書かれている知識があまり頭に入らず、7月のスクーリングシーズンが到来しました。
スクーリングのときに中央法規のワークブック(『精神保健福祉士受験ワークブック』)を購入し、講義での知識、合格テキストの図表、ポイントなどを必要に応じてワークブックに書き加えていきました。また、中央法規の過去問(『精神保健福祉士国家試験過去問解説集』)の解説で追記が必要な箇所もワークブックに書き加え、基本的にワークブック一冊で知識が一本化できるようにしました。
過去問は、何度解いても間違える問題に付箋をつけました。さらに、それぞれの過去問題がワークブック等のどの部分に説明されているか、根拠になるページナンバーを過去問に明記して、過去問とワークブックのどちらを見ても該当箇所に行き当たれるよう、パセラパラめくって探す手間をできるだけ省きました。
10月頃に購入した暗記ブック(『精神保健福祉士受験暗記ブック』)も同様に活用しました。ページを部分的にコピーしてワークブックに挟み込むという具合に。
勉強する環境については、自室にこもっての勉強では集中力が2時間もたないため、図書館を利用するほか、専門学校で知り合った演習グループのメンバーとともに9月頃よりほぼ月1回、過去問を中心に解きあう勉強会を行いました。勉強時間は4時間、その後の語らいが5時間(汗)、これが毎月の楽しみになりました。仲間と勉強しあうことで、お互いにわからなかった箇所がわかりあえたり、暗記ブックを参考にしながら、仲間同士で暗記ブックに記載されている箇所以外のゴロ合わせの品評会をしたり、話は尽きませんでした。年末年始は、通勤途中でも活用できる最終チェック(『精神保健福祉士国試対策〈専門科目〉最終チェック』)を携えて、電車の中で問題を繰り返し解きました。
スクーリングのときに中央法規のワークブック(『精神保健福祉士受験ワークブック』)を購入し、講義での知識、合格テキストの図表、ポイントなどを必要に応じてワークブックに書き加えていきました。また、中央法規の過去問(『精神保健福祉士国家試験過去問解説集』)の解説で追記が必要な箇所もワークブックに書き加え、基本的にワークブック一冊で知識が一本化できるようにしました。
過去問は、何度解いても間違える問題に付箋をつけました。さらに、それぞれの過去問題がワークブック等のどの部分に説明されているか、根拠になるページナンバーを過去問に明記して、過去問とワークブックのどちらを見ても該当箇所に行き当たれるよう、パセラパラめくって探す手間をできるだけ省きました。
10月頃に購入した暗記ブック(『精神保健福祉士受験暗記ブック』)も同様に活用しました。ページを部分的にコピーしてワークブックに挟み込むという具合に。
勉強する環境については、自室にこもっての勉強では集中力が2時間もたないため、図書館を利用するほか、専門学校で知り合った演習グループのメンバーとともに9月頃よりほぼ月1回、過去問を中心に解きあう勉強会を行いました。勉強時間は4時間、その後の語らいが5時間(汗)、これが毎月の楽しみになりました。仲間と勉強しあうことで、お互いにわからなかった箇所がわかりあえたり、暗記ブックを参考にしながら、仲間同士で暗記ブックに記載されている箇所以外のゴロ合わせの品評会をしたり、話は尽きませんでした。年末年始は、通勤途中でも活用できる最終チェック(『精神保健福祉士国試対策〈専門科目〉最終チェック』)を携えて、電車の中で問題を繰り返し解きました。
手応え
2回の模擬試験は65%、70%の正答率だったため、「これは何とかいけるかな?」と思っていましたが、試験本番は問題が五肢択一だけでなく、史上初の五肢択二。数問失敗しました。それ以外にも難題の続出で、正直なところ「落ちた」と思いました。模擬試験でまずまずの手応えを感じていたのになぜ?なぜ?と怒りさえ覚えるほどでした。
そのため、合格発表当日まで気にしない!と決めはしたものの、発表の数日前から落ち着かない日々が続きました。合格発表を目にした時には、緊張感が一気にとけて……とともに嬉しさがこみ上げてきました。
そのため、合格発表当日まで気にしない!と決めはしたものの、発表の数日前から落ち着かない日々が続きました。合格発表を目にした時には、緊張感が一気にとけて……とともに嬉しさがこみ上げてきました。
ソーシャルワーカーとして
福祉施設勤務時代は、施設利用者を中心とした支援が主な業務だったため、関係機関との連携という業務は限られていました。しかし、生活保護ケースワーカーはほぼ毎日のように病院、居宅の事業所、保健所等とのやりとりがあります。関連機関との円滑な連携なしには支援は進みません。このほかに、家庭訪問や受診同行、ケースカンファレンスへの参加など外へ出かける活動も多くあります。一方で、対象者に適切な生活費を支払うための計算や入力作業も膨大な量があります。来所面接も多いです。
目の回るような忙しい日々が続きますが、いろいろな支援者と力を合わせて少しでも問題が改善される過程は、ソーシャルワークの醍醐味ではないかと実感します。精神科病院に長期入院していた方が生活訓練施設に入寮される一方で、いまだ長期入院をしており次の支援の段階に入っている方もいらっしゃいます。地域で生活しづらい方等、課題は多く先が遠いと感じますが、このたびの精神保健福祉士取得で少しでも前進できればと思うと、楽しみに感じている自分もいます。
受験生の皆様へ
学習過程でグループワーク理論が出てきますが、まずは自分自身でグループワークを実感することが一番! そのためには、自分自身で勉強を進めることはもちろんのこと、グループで定期的に学習する機会を持つことが思いのほか学習効果を高めてくれます。苦しみと感動のわかち合いをともに体感しながら合格を目指していただきたいと思います。そして、模擬試験は得意-不得意は関係なく、最低2回は挑戦を!