第35回 ライオンキング 矢作俊彦さんの出版記念パーティーへ
「とまどうペリカン」井上陽水。
(歌詞=Yahoo JAPAN 「Music」参照)
ある、作家が母に「あなたにぴったりの曲です」と、プレゼントしてくれた1枚です。
母と二人、母のベッドに横になり、この曲を何度も繰り返し聴きました。
小さい頃の私にとって、父はライオン、百獣の王というイメージでした。母にとっても同様だったと思います。
たまに家に帰ってくると、料理を作ってくれる父。その料理を手づかみで、私達の口の中に入れる。まるで、動物の家族のようでした。
そして、家族のライオンキングは映画の世界でも同様のようです。
ライオンキング 宍戸錠。
そのボスライオンの座を狙っているライオンがいます。
ライオンキングに尊敬の意を持ち、映画の中のライオンキングに憧れ、一体化し、今、噛み付こうとしています。
ここ最近、父と私は月に一度はお会いしています。
その、もう一匹のライオン、矢作俊彦さん。
この度、『引擎/ENGIN』(新潮社)を出版され、先日、出版記念パーティーに父と参加しました。
錚々たる文豪達が集まった、フレンチレストランで、ライオンキングは、その座を狙おうとする、もう一匹のライオンにエールを送りました。
矢作さんは、『AGAIN アゲイン』(宍戸錠主演)という、日活映画集大成の作品を監督なされ、他にも、『神様のピンチヒッター』、『ザ・ギャンブラー』(いずれも、宍戸錠出演)等を監督されています。ご存知の通り、宍戸錠フリークです。
宍戸錠のこと、ハードボイルドを書いていらっしゃいます。
二人の身体にアルコールが満タンになると、決まって、
「勝負しようぜ!」と、矢作さん。
「やるかー!!」と、父。
それはまるで、ライオンの抗争!!
傍から見れば、恐ろしい光景でしょう。
でも、ライオンキングの娘は知っています。ライオン同士、ジャレあっているということを。
そして、ジャレてばかりいないで、ライオンキングがサバンナ(映画界)を後にするまでに矢作さんに、1本撮って頂きたいと思っております。
パーティーが終わった赤坂の街。
鬣(たてがみ)を立てたライオンキングが暗闇に消えていく姿を、もう一匹のライオンは、じっと見つめながら、鬣を立てようとしていました。
矢作俊彦さんの出版記念パーティーにて
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