第34回 鈴木清順監督にオファーを
この間、父と都心に出掛けた際、通りがかった一軒のお店。そこは、黒澤明監督の息子さんが、プロデュースされているお店でした。
父も私も大人になった(年をとったとは言わず)のか、さっぱりと、父はおろし蕎麦、私はとろろ蕎麦を頂きました。
お店には、黒澤明監督の撮影風景の写真が飾られていました。
そんな黒澤監督の写真を見ながら、日活のスタッフから受けた、企画の説明を私は父に話し始めました。
父のいた日活は、もう、来年で100周年になります。その100周年記念に向けて、いろいろと企画が進んでいます。
その中の一つに、今年の10月からニューヨーク・リンカーン・センターを皮切りに世界巡回上映が始まります。そして、1年かけて、巡回上映していくそうです。
日活は日本でもっとも古い映画会社です。
この企画では、1920年代の貴重な作品から近年の大ヒット作品までの40本を上映するそうです。
そして、何故かその世界用のポスターに宍戸錠の写真が起用されました。そう、今、ご健在の中で一番古いのが父です。
つい、この間、お会いしましたが、車椅子の移動ではありますが、元気でいらっしゃる鈴木清順監督。父は『肉体の門』(’64年)に出演しました。そして、やはり世界でも評価が高い、監督の作品『殺しの烙印』(’67年、宍戸錠主演)は、代表作の一つではないでしょうか・・・
しかし、この作品は、当時の日活社長・堀久作氏の逆鱗に触れ、鈴木清順監督が日活を後にした作品でもあります。そして、そのことは、ファンや映画関係者がデモを行うなど、社会問題にまで発展したとか・・・
そんな巨匠、鈴木清順監督作品『東京流れ者』(’66年)や、マキノ正博監督、川島雄三監督、今村昌平監督、神代辰巳監督の作品が上映される予定です。
私も楽しみにしています。
そして、昔の作品を観るという以外に、もう一作、鈴木清順監督には映画を撮って頂きたいです。
そして、その作品の中の宍戸錠を観てみたいです。
そう思うのは、私だけでしょうか・・・
日活100周年(2012年9月10日)ポスター
(2011 Nikkatsu Corporation)
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