第26回 愛に・・・喝采
仕事の資料をチェックするため、昔の映画アルバムを開きました。その中に、父の弟、郷鍈治さんのインタビュー記事を見つけました。
父と鍈治叔父様は、同じ悪役でも、相反するキャラクターです。1960年に日活映画『狂熱の季節』でデビューし、『早射ち野郎』(1961年)他、数多くの作品で父と共演しています。
錠と鍈治のアクションシーン(『早射ち野郎』) 映画アルバムより
私の中では、ニヒルな悪役の父に対し、影のある悪役だというイメージなのです。
鍈治叔父様のインタビュー記事を見ますと、父に頭が上がらないと・・・父を尊敬し、真似をし、と・・・ でも、叔父様は父とはまた、違った物凄いキャラクターの持ち主です。そして、女心を掴むのは、父より上手だと思います。どの作品を観ても色っぽいし・・・ 私は、後日、リメイクもした父と叔父様共演の長谷部安春監督の『流血の抗争』(1971年)が好きです。
そう、父は大家族で5人兄弟。父は三男、叔父様は末っ子です。昔から父は家族の面倒を一人でみたとか・・・ その中でも弟の面倒見はよく、大学まで行かせたり、日活入社も口をきいてあげたとか・・・
甘えん坊な末っ子のようですが、子供の頃観たテレビの中の叔父様は『仮面ライダーV3』(1973年)のキバ男爵という、怖いイメージと、普段会ったとき、「おう!」と、挨拶されると、子供の私も女性であることを意識してしまうほど、セクシーな男性でした。
映画アルバムより
父も私に対し、子供扱いせず、大人同様に接しましたが、それを理解するのに、大分、時を必要としましたが・・・
弟の面倒見のいい父は、最終的に生涯の伴侶まで紹介しました。皆様、ご存知のちあきなおみさんです。彼女と出会ってからの叔父様は裏方にまわり、俳優業を引退しました。そして、55歳の若さで5人兄弟の末っ子でしたのに、一番最初にこの世を去ってしまいました。それから、叔母様は芸能活動を休止し、セクシーな叔父様を一人占めしておられます。
昔、父もよく歌ってました。私も歌います。
「♪いつものように幕が開き恋の歌うたう私に届いた報せは黒いふちどりがありました。~喪服の私は祈る言葉さえ失くしてた♪」《喝采/ちあきなおみ(作詞:吉田旺/作曲:中村泰士)より》
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