第12回 ”大橋巨泉さんのプール付きの豪邸は私の家でもありました?!・・・「ゲバゲバ ピー!!」”
幼いころ、父は家にいることはあまりなく、私にとって「テレビに出ている人」が、たまに我が家に現れる。という感じでした。
アポロ11号の月面着陸が全世界から注目を浴びた1969年。その年の10月から日本テレビ系で始まった、それまでにはない画期的なバラエティ番組。当時、活躍されていた人気放送作家の大橋巨泉さんと前田武彦さんをMCに、井原高忠プロデューサーが映画俳優であった宍戸錠に士気を上げさせ、藤村俊二さん、小松方正さん等、女優に浅丘雪路さん、吉田日出子さん、小川知子さん等、私も大好きだったロンパールームの「みどり先生」うつみ宮土理さん、歌手にジュディ・オングさん等、お笑いのプロには、コント55号、クレージー・キャッツ等のそうそうたるメンバーで構成された「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」。
この番組はメンバーがショートコントをし、オチに必ず、「ゲバゲバ ピー!!」と髭のおじさんが舌を出すのです。
メンバーの方々は、たまに我が家に宍戸錠と共に現れましたが、中でも大橋巨泉さんはよく、お見えになりました。ですから、親戚のおじさんのように私は思っておりました。
そして、大橋巨泉さんはついに、我が家のお向かいに家を建てられたのです。
土地の広さ、建物の高さを我が家と全て揃え、我が家を設計した建築家にし、両家がまるで対話をしているように建てられました。ですから、ますます、親戚同然のように大橋巨泉さんの家と行き来していました。
大橋邸にはプールがあり、私はよく泳ぎに行きました。泳いだ後はサウナに入り、美味しいジュースとタオルを巨泉さんの奥様が用意して下さり、どちらの家の子かわからないほど、入り浸っていた記憶があります。
そして、「家にプールがあるから遊びに来て」と小学校から沢山お友達を連れて、大橋巨泉邸に、我が家に帰らず直接行き、自分の家のプールのように遊んでおりました。
「しえのママ、モデルさん? お姉さんみたいだね」
「そうでしょう」
「なんてね・・・」と私。
そして、ジョークの後は決まって、父と私の合言葉「ゲバゲバ ピー!!」
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