<連載8> 在宅介護の切り札「小規模多機能型居宅介護」 その2
2012年09月21日 09:10
「えがお」の駐車場の横の小さなスペースは菜園になっており、季節の野菜を作っています。トマト、ゴーヤー、シソ、ナスなど、次々に旬のものが成長。これらはもちろん自家消費しておかずになってしまう。利用者さんの中には農家の方もいて、職員さんも頼りにしているようです。
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きゅうりを見て「おいしそうだから、塩でもんで食べちゃいましょう」という一声が利用者さんから上がると、それじゃあと収穫が始まり、ホールのテーブルでおばあちゃんが手慣れた包丁さばきで浅漬けを作る。皆さん、いきいきしているし、こういうこと一つ一つがうれしいのでしょうね。
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ここは待っていればご飯がでてくる所ではありません。自宅にいる時と同じです。お腹がすく。食べたいものを考える。買い置きしてある食材を確認し、足りない分の買い物に行く。おいしそうな商品を選ぶ──。
「残っている能力をどうすれば最大限活かしていただけるかを常に考えています」と田中絵理施設長。確かに、上げ膳据え膳は楽だけど、続けていると、日常生活のふるまい方を忘れてしまいそうです。
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「私たち職員はサービスを提供、支援させていただくわけですが、逆に皆さんに支えられているし、勉強させていただいている部分が大きいと思います」(田中施設長)
人生の大先輩たちは大きな知恵袋を持っています。草履の編み方から、掃除のコツ、家庭料理の秘伝など、いろいろ教えてくれるそうです。人生相談にのってくれることもあれば、第二次世界大戦の話が出ることも。ボクも通っているデイサービスで、お年寄りに大正12(1923)年に起きた関東大震災の体験を聴いて驚いたことがあります。
若い職員さんにとっては、花嫁・花婿修行、日本文化や歴史がナマで学べる貴重なカルチャースクールなのかもしれませんね。
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「利用者さんはもちろんご家族とも時間をかけておつきあいを深め、お互い理解し合っていくことが大切だと思っています」
小規模多機能型居宅介護「えがお」のキーワードは信頼関係。次回で、それを具体的にどう築きあげつつあるのか、お伝えします。
(次回に続く)
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食事の用意や掃除、買い物など、家事は利用者さんにとってお手のもの。
医療法人財団 アカシア会 小規模多機能型居宅介護 えがお
埼玉県三郷市早稲田3-26-9 ℡048-950-7325
埼玉県三郷市早稲田3-26-9 ℡048-950-7325
次回の更新予定は10月5日(金)の予定です。
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