<連載2> さあ、福祉作業所にでかけよう その2
2012年06月21日 10:21
「作業所」と聞いて、どんなイメージを持ちますか? 作業所は、障害のある人が地域で共に働き、学び、生活する場。でもどのように事業を運営しているのか、なかなかわからないですよね。障害者自立支援法の前の制度では、障害の種類ごとにサービスが提供されていたそうですが、今は障害の種類を超えて共通の場で利用するような仕組みになっています。
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社会福祉法人「緑の風福祉会」のみどりの風では、知的、精神、身体に障害のある方たちが、和やかに、とってもいい雰囲気で作業をしていました。
内容やテンポは利用者の方、それぞれでしょうけど、みな“仕事”なのです。多額ではないけどお給金も入るし。それ以上に、お友達と会って、話して、一緒に活動するのが嬉しそう。ここに通うことで働く楽しさと喜びが得られるというわけ。なぜか仕事ではなく、作業と呼んでいるのも変ですね。
前回紹介したように、パンを作って販売して、地域の人々と接する。最初は慣れないことにもチャレンジする必要がありますけど、仲間で何かをすることが、大切なのでしょう。
社会に貢献している。「障害があってもここまでできるのだ」という自負心。障害者の心のための施設でもあるんですよね。
「大事にしているのは、一人一人持っている力、そしてその方の笑顔を引き出すような支援です」と管理者の大木茂さんは言います。
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みどりの風は、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスのうち2つの事業を行なっています。一つが、就労継続支援B型事業。これは一般企業等で雇用契約による就労が困難な人に、働く場を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練を行います。ちなみにA型は雇用契約を結んで働き、訓練するというもの。契約を結ばないB型とは異なるタイプで、こちらは全国でもまだ少ないそうです。みどりの風のパン作りは、B型事業に入ります。
おいしそうなスイーツもお昼ご飯に付きますよ
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もう一つが生活介護事業で、これは常に介護が必要な人を対象に、食事などの介護や創作活動、生産活動などの機会を提供します。みどりの風では、一人一人の障害に応じて、のんびりしたペースでいろんな活動を行なっており、当日は駄菓子のガムを入れる刀の形をしたケースを組み立てる内職をしていました。黙々と、でも和気あいあいと作業をしていて、ボクもやりたいな、と思うほど。
さをり織りもこの事業内のもの。好きな色の糸を選び無心に織った作品は、織り手の個性が素敵に表現されていて、大評判。イベントなどで購入してくれたお客さんに、「私も織ってみたい」と言われることもあるとか。だったら、みどりの風の“機織り職人”が一緒に織って教えるようなこと、やれればいいね。
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作業場での“仕事”は楽しそうだけれど、この状態のままでいいとはボクは思いません。現在は障害で働く機会がない人の中にも、さまざまなスキルを持った人が埋もれていると思います。もっと出番が増えるといいですね。
今回の訪問先。
社会福祉法人緑の風福祉会
埼玉県三郷市半田1212−2 TEL048-911-1159
http://heartland.geocities.jp/misato_midorinokaze/
f_midorinokaze@ybb.ne.jp
社会福祉法人緑の風福祉会
埼玉県三郷市半田1212−2 TEL048-911-1159
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