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コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」

おバカと健常の境目

 三郷に越してきて3年になりますが、いまだに地理・地名はほとんどわかりません。地図を見て勉強はしているのですが、感覚的につかめない。地名もマゼコゼになる。デイサービスその他で適当に動いているのに、わからない。三郷は高速道路が複雑に交錯していることもあり、よけいこんがらがる。自分でクルマを運転すればそこそこわかるのでしょうけど、運ばれているだけではね。

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 やっぱし、ということがありました。デイサービスの送迎で、助手席側に座った利用者の方が「車幅感覚がわからない、乗っていて怖い」というのです。ボクも同じ感覚を持っていました。後部座席の右側に座っていると、そこそこの車幅感覚がつかめる気がするけど、助手席だと非常に怖い。特に三郷は道が狭いこともあり、ぶつかるんじゃないかと恐怖。地元のドライバーは慣れているんでしょうけどね。以前、海外で左ハンドルのレンタカーで長距離ドライブをしたこともありました。左ハンドルは5分で慣れます。その時平気だったのは、高次脳機能障害ではなかったからでしょうかね。

 けど、不思議ですね。ここで高次脳機能障害とは何かをまた考えてしまいました。脳卒中や頭部外傷などによって右脳が損傷すると、左側の空間の情報処理がうまくいかずに見落としてしまうということが起きます。これは左「半側空間無視」と呼ばれていて、高次脳機能障害の人によくおきる症状だそうです。外見からは、そんな症状があるなんてわからない人がほとんどなのに……。でも、ひとこと言っておきます。高次脳機能障害はおバカではありません。表現能力が少しトロイだけです。口も頭もちょっとゆっくりとしか動かせないだけ。

 変なヤツですけど、温かく対応してください。これも甘えになっちゃうんだよね。障害者のポジショニングってけっこう難しいのです。お友達も少ないし。

 次回は2012年2月21日(火)、更新予定です。

コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」2011年2月14日
またまた雲登場。何に見えるかな? じっくり眺めていると楽しいですよ


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、リハビリ医を紹介され、高次脳機能障害と診断される。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害者とその家族を中心にした地域会に参加し、新たな暮らし方を模索中。
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