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コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」

椅子がコワイ

 歩くと自然に右回りになると、以前、書きました。確かに今も、“右傾化”現象はあります。ノートなどに書くときも文字が右側に集まってしまう。なぜ歩きが右回りになるかというと、左足が悪いので左足はなるべく大股でしっかり歩きたい。で、左足のほうが歩幅は大きくなり、必然的に右に曲がる、と屁理屈をこきました。スポーツでも右回りと左回りがある。高次脳機能障害では左側の視野が欠落することがあるといわれます。ボクの感覚では、見えてはいるけど左側への注意力が下がる、といった感じで、ついつい“右”に頼ってしまうのです。

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 これにはもうひとつの理由があります。それは、眼科で調べてもらったら、ボクは左目をほとんど使っていないということです。視力や視野範囲は左右で同じだけど、ほとんど右目で見ている。どうりで右目が疲れるわけだわ。

 それに怖がりが加わります。病院に行くと、医者は立派な椅子に座っているのに、患者には小さな丸椅子です。高次脳機能障害の方だけではないと思いますが、小さな丸椅子に座るのはとっても大変。緊張するのです。

 ボクの場合でいうと、大きく歩くときには右回りがいいのですが、小さくは左回りまわりしかできない。診察室で「座ってください」といわれると、左回りでくるくる回ってやっとこさ座る。でもボクにとって丸椅子は安定感ゼロ。前後クラクラのめまいがあるボクには、背もたれがある椅子が最低条件。でも、そんな患者のことがわからない病院がほとんどですね。悲しくなっちゃう。

 医者は長時間診察で座りっぱなしだから疲れるでしょうけど、患者は5分診療でもつらい椅子があるのですよ。最低限の見識で、椅子くらいは用意していただきたいですね。腰を降ろすのも怖い。これもわかってほしい。背中を聴診する内科だったら、せめて腰くらいまでの低い背もたれ付きにするとかね。患者用の椅子で病院のレベルがわかりそう。

 次回は2012年2月14日(火)、更新予定です。

コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」2011年2月7日
友人の家に不思議な花がありました。造花ではなく本物です


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、リハビリ医を紹介され、高次脳機能障害と診断される。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害者とその家族を中心にした地域会に参加し、新たな暮らし方を模索中。
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