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コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」

楽しもうよ、遊ぼうよ

 高次脳機能障害のバリアーを張っているのは家族ではないでしょうか。なんかそんな気がします。とうちゃんは、息子は、高次脳機能障害でおかしくなり、仕事ができなくなってしまった──と、上から目線になったり、近所や知りあいに隠そうとしたり。認知症なども同じような扱いを受けていますよね。

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 でも、ボクの感じでは高次脳機能障害は治ります。完治はしなくても、そこそこ良くなる。ダメージを受けた脳細胞の代わりに、眠っていた脳細胞が目覚め始める感じがする。当事者にはわかります。時間はかかるけどね。でも家族や介護者にはそれがなかなか見えない。当事者にとってはつらいところですね。

 当事者はアンビバレンツな状況なのです。ボクも体験しています。頭は動くけど、体が動かない。人によっては、ゆっくりとしか体や頭が動かない。頭の中に考えはあるのに、表現するのは大変。家族は怒ったり、苛立ったりしてはいけません。そういう人格として認めてほしいです。いちばん困っているのは当事者なのだから。

 高次脳機能障害はある意味で障害者なのですが、障害状態から目をそらさないで、もっと出したほうが楽になることもありそうですね。高次脳機能障害になる要因はさまざまですし、症状もいろいろ。人によっても変わります。本などに症状例が記されていますが、あくまでも目安。実際、記憶力は家族よりいい人。持続力があって1日中働き続けられる人。温厚な人格者で絶対キレたりしない人……。いろんな人がいるんです。ボクのコラムも、ボク自身の体験談でしかありませんが、少しは参考になるかな?

 高次脳機能障害ではいろんな面白いことがおきます。ドアを開けて外に出ようとして逆に自分を閉じ込めたり、デイパックの背負い方がわからず四苦八苦したりと、ともかくトンチンカンなことをやりがちなのです。それを笑って見過ごすようにしてほしい。トンチンカンは楽しいよ、やさしく見守ってください。

 次回は2012年3月6日(火)、更新予定です。

コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」2011年2月28日
自宅の100m先にこんな花が咲いていました。食べられるのかしらん


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、リハビリ医を紹介され、高次脳機能障害と診断される。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害者とその家族を中心にした地域会に参加し、新たな暮らし方を模索中。
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