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コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」

積み重ね

 人間ってすごいなと感じることがあります。身近なところでは上下水道のシステム。小さなことの積み重ねで技術やノウハウを蓄え、現在のような大きなシステムが作れるようになったのでしょうね。江戸の玉川上水なんて、わずかな高低差で多摩川から東京まで水を運んでいました。すごいですね。

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 現在でいえばプラントや工場、高層ビル。超複雑です。しかも一発で作り上げなければならない。設計時に配線、配管いっぽんもおろそかにできない。さらに耐震や建てやすさ、壊しやすさまで加味。ノウハウがあるのだと思いますが、設計する人の頭のなかはどうなっているんでしょう。でもこういうものは原発事故でわかるように、いったんトラブルが起きるとたいへん。

 ボクはそれ以上に複雑なシステムが人間のからだだと思っています。実によくできていますね。でも、そのまま真似しても“ヒト”を作ることはできない。からだは壊れることも錆びることもあります。加齢、事故、血管障害など原因はいろいろ。考えてみればからだのような複雑なシステムが、トラブルなく長年使えることのほうがおかしい。

 ある程度の年齢になったらトラブルは覚悟せよ、ですか。でも本人だけでなく、家族の負担も大きい。身心の面でも経済面でも……。ここが問題のような気がします。


 次回は2011年10月11日(火)、更新予定です。

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めっきり秋の色が濃くなってきました


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、リハビリ医を紹介され、高次脳機能障害と診断される。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害者とその家族を中心にした地域会に参加し、新たな暮らし方を模索中。
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