三郷不思議探偵団
不思議な所に行ってきました。刀ですよ、カ・タ・ナ。たぶん普通の人は縁がないと思う。ボクも博物館や美術館では見ていたけど本身に触ったのは初めて。でも、こわくありませんでした。今の刀は戦いの道具ではなく、美術品なのです。さしみ庖丁のほうがよっぽどあぶない。話をきくと、昔も戦場ではチャンチャンバラバラをしていたわけではなく、きれいな刀は大将の威厳のためとのこと。キラッと光ることが大切だったそう。いわばオーラですね。
行ったのは刀の研ぎをしている方の家です。大きな工房かと思ったら、普通の民家。ようわからんけどおもしろかった。足と脳に障害を持つボクにはちょっと大変だったけど。正倉院に収められている刀を復刻したものなど、いろんな刀を見せていただきました。研ぎ師の方は、伊勢神宮で20年に一度行われる式年遷宮という祭事で奉納される刀と鉾の研ぎを何振りかしています。
刀は刀鍛冶が作ると思われがちなようですが、鍔(つば)や鞘、塗り、研ぎなど、分業になっているそうです。共同作業の結晶なのですね。写真でも見せていただきました。その中で一番重要なのが研ぎのようです。刀鍛冶は素材を作る、それを仕上げるのが研ぎ師。平安、室町、江戸など、時代や流派などを見極めて研ぎながら仕上げていくそうです。
ボクは、最初の行程は電気を使ってかと思ったら全部手作業。庖丁を研いだことがある人ならわかると思いますが、長い刀を研いでいく、それもミネまで含めてすべての面をバランスよく──。気が遠くなるような作業です。いろいろな刀を見せていただきましたが、テレビでやるような、こんなに切れるんだよ、といった紙を切ったりすることはありませんでした。
次回は2011年8月9日(火)、更新予定です。
研ぎの途中の日本刀。研ぎの最初の段階でしか手で触れることはできません。佐々木卓史さんの<お刀研ぎどころ>にて
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