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コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」

本音が聞きたい

 病気やケガの話って、なかなか本人には聞けません。嫌なところ、微妙な部分にずかずかと入り込む感じで。これは病人どうしでも同じです。東日本大震災の被災者の方々が、自分のことをしゃべらない、耐えていると言われますが、障害者も同じ。自分よりひどい障害の方が側にいる、その方のことを考えると「わたしはね…」とは言えないのです。気軽に話せる“アルコールゼロ障害者酒場”があったらいいなと思います。アルコールゼロでも酔えるんですよ。

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 デイサービスなどに行っても最初は顔と名前が分からない。少し知り合うまで半年はかかります。その間も病気の話はほとんどしないけれど、脳梗塞の方はだいたいわかります。でもそれぞれ症状の程度は大違い。マヒの種類の違いか、リハビリの失敗か、脳神経外科医や病院がわるいのか。聞けるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。というか聞いていいのだろうか。

 「頭はどうですか?」とは聞けますね。病気をすると頭がおかしくなる。これはみんなが言っています。「入院してから、手術してから変なのよ!」てなぐあいに……。これはたぶん脳の機能障害でしょう。なんか変、でもどう変か分からないし、病院に行くほどでもない。たとえ病院の脳外科に行っても無視されるだけ、「精神科に行きなさい」になる。

 今もどこかの国ではしているのかもしれませんが、昔、ロボトミーという手術がありました。脳の手術をしておとなしくさせるというものです。デイサービスや家族会などに行っても、当事者は実におとなしい。ボクも頭がボケているときはそうでした。でも、本当は頭の中は激しく動き回っている。言語障害などで、表現がうまくできないだけなのです。

 おバカではない。動かしたいけど動かない。カラダも頭もです。このストレスと闘っている。やさしく見守ってやってください。ついでにボクも!

 次回は2011年5月31日(火)、更新予定です。

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桜と思っていたらチューリップの季節でもあったのですね


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、リハビリ医を紹介され、高次脳機能障害と診断される。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害者とその家族を中心にした地域会に参加し、新たな暮らし方を模索中。
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