いまんとこは隠しておきましょ
新聞に「認知症の人と家族の会」のチラシが入っていました。結成30周年だそうです。認知症という言葉は2004年に、それまで使われていた「痴呆」に侮蔑的な意味合いがあるということで置き換えられたそうです。で、ここからが問題。いま認知症は一般用語になっていますよね。その早期発見のめやすになる症状は、高次脳機能障害とほとんどダブっているんです。高次脳機能障害の家族会でも、病気の説明に“認知症のようなものです”ということがあるようです。
ということは、高次脳機能障害は痴呆と誤解されかねない。認知症はアルツハイマー病とか進行型のイメージが強く、物忘れから始まって痴呆になると思われています。でも適切な治療によってある程度は進行を遅らせることもできます。でも何かと理解されていない。そこに高次脳機能障害という難しい言葉が入ると、またややこしくて誤解のもとになる。困ったものです。
で、高次脳機能障害はあなたもなっているかもしれない病なのです。サッカーのヘディングで、自転車で転んで、階段や風呂場で滑って頭を打った。これらでも可能性はあります。最近何か変だなと思ったら“すぐに相談を”なのですが、相談する場所がなかなかないのが現状です。病院や医師でさえ理解していることが少ない。このコラムを匿名で書いているのも、そのためです。
就活している人も大勢います。それらの人から直接に話を聞きました。高次脳機能障害は痴呆としてみられ、差別を受けるようです。器質性精神障害として精神障害者手帳の対象になるためでしょうか。ほかに、テンカンの薬を飲んでいることが分かると絶対に採用されない、診断書に高次脳機能障害の文字があると採用されない、だからそういうことは書かないようにと、窓口でいわれたそうです。就労の支援担当者にそう言われちゃおしまいよ、ですね。
次回は2011年2月1日(火)、更新予定です。
三郷の公園は冬本番ですが、もう二月(ふたつき)もすると青々とした新緑の季節になるのでしょうね
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