高次脳機能障害も慣れ!
人にとってはイメージ以前の存在。つまり“知らない”だと思いますね。最近は、新聞やテレビで取り上げられるようになったけど、一般の人の目につくことはまず少ない。また取り上げるとするとかなり重篤な例ばかり。となりのおじさん、おねえさんだって高次脳機能障害で困っているかもしれないのにね。
自分で書いていてなんなんですけど、いつもこの“困っている”という言葉にひっかかります。確かに当事者としては困ることがあるのは事実です。それまでは簡単にできたことができなくなる。でも、まったくできないわけではなく、時間をかければいいこと。ボクの場合はちょっとした変化とみればいい。基本的な判断力や頭脳が消え失せたわけではない。高次脳機能障害による変化をどう取り込むかなのです。明晰さ、判断スピードなどまで突っ込まれるとムムム! になってしまいますが……。
よく高次脳機能障害の症状例というものがあります。家族会や地域交流会などのチラシに書かれていますし、インターネットでもすぐに見つかる。「こんな症状があったら高次脳機能障害かもしれない」の目安です。知らない人からすると、10以上ある症状が全部現われると思いがち。そうなったら、認知症が進んだような大変な病気のイメージになってしまう。さらにそのもとになった事故や病気もあるんだから。
でも、ボクという基本は変わらないのだから、文章は書けるし、社会生活もできる。当初は高次脳機能障害に慣れないのでいろいろと戸惑うが、学習をするうちに生活できるようになる。これが高次脳機能障害のリハビリなんでしょうね。そのなかで頭がフル回転しないこともわかってくる。だから、それなりの回転数でうまく走っていけばいいんですよ。無理せずにね。もちろん個人差はあると思いますけど。
次回は2010年12月14日(火)、更新予定です。
斜めから射す日差しが雲に当たると実にキレイな陰影を描いています。こうしたものを見るのもリハビリですね
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