富士山と山歩き(1)~私の富士山考
■新年の迎え方あれこれ
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、年末から年明けにかけ、中国・ロシアなどとの外交問題をはじめ、900兆円もの国の借金や増大する一方の社会保障給付費、「100年に1度」といわれる世界同時不況、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加の是非など、日本を取り巻く内外の問題はさまざまでした。
おかげで、政権交代を遂げた民主党は途中で首相が代わったり、マニフェスト(政権公約)を十分果たせず、国会での答弁を軽視したかのような発言で大臣が辞任したりするなど先行きが危ういようです。
そこで、「神頼み」の感がしないでもありません。もっとも、長年の自民党政権によってもたらされた膨大な“不良債権”を清算するには1年や2年では土台、無理な話で、もう少し時間をかけて見守ることも必要ではありますが……。
それはともかく、みなさんは今年はどのような年にしたいと思っているのでしょうか。また、新年をどのように過ごされているのでしょうか。
ある人は、近くの神社に「初詣」に出かけ、この1年の「家内安全」や「夫婦円満」、「無病息災」を祈願するかと思えば、「初夢」に胸を膨らませたり、落語で「初笑い」に興じたりして不況風を吹き飛ばすなど、思い思いに過ごされていることでしょう。また、ある人はリゾートホテルに滞在し、朝から温泉三昧しているかと思えば、海外でリッチなロングステイを満喫している人もいるかもしれません。
■「富士には正月が良く似合う」
そんな正月休みを利用し、近郊の山に登って初春の富士山(標高3776メートル)を仰いだアクティブシニアも少なくないことでしょう。また、「一生の思い出に」と、今夏、富士山に登る計画を立てている人もいるかもしれません。
かくいう筆者も、新雪をいただいた新春の富士山を仰ぎ見るため、毎年、正月には関東の山に登り、この1年の“大願成就”を誓っています。ちなみに、今年は神奈川県にある相州大山(おおやま:標高1252メートル)を計画しています。
「富士には月見草が良く似合う」
太宰治が山梨県の御坂(みさか)峠にある天下茶屋に滞在した際、書いた小説『富嶽百景』の一節のなかのこの言葉はあまりにも有名ですが、正月の富士山もなかなかいいものです。これまで富士山に2度登ったことのある地元静岡県人の筆者にいわせていただければ、「富士には正月が良く似合う」といいたいところです。
そこで、せめて年の始めくらいは楽しい話をと、この富士山をめぐる話と山歩きの楽しみ方をお話ししましょう。
新年を迎えた富士山は格好のシャッターポイント(静岡県の薩埵峠にて)
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