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川村匡由の人生設計ゆとりサロン

シニア世代と余暇

 さて前3回は、余暇の意味やわが国と欧米との事情の違いを比較しながらお話ししてきましたが、シニア世代は今後、この余暇にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

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 余暇というと、自由な時間を有効に活用し、人生をより充実させ、人生80年、いえ、人生100年時代を有意義に送るため、生涯学習や高齢者の見守り、介護予防、介助などのボランティア、まちづくり、環境保全、特技・趣味、スポーツ、娯楽、創作、レジャーなどでエンジョイすることが一般的でしょう。なかにはIT(情報技術)などのスキルを生かし、NPO法人などを取得して起業したいという人もいるかも知れません。

 そのいずれも人生100年時代における「5K」、すなわち、健康、経済、心(生きがい)、家族、交流により、住み慣れた地域でいつまでも健康で人間らしい生活を送るため、生きがいの促進や社会参加を通じて地域活性化や再生をもたらし、ひいてはシニア社会を形成することが期待されます。そこに「人間復権」もあるものと思われます。

 そこで、このようなシニア世代の期待に応えるため、余暇生活相談員や余暇生活開発士、レクリエーション・インストラクター、レクリエーション・コーディネーター、福祉レクリエーション・ワーカー、グループレクリエーション・ワーカーなどの民間資格が創設されています。

 また、地方自治体のなかには団塊世代などシニア世代を対象とした市民協働サロンの開設をはじめ、関係団体の連絡協議会の設立、情報および活動用の会議室やブースの提供、活動資金への助成などを行っています。そこで、シニア世代は地元の自治体に相談したり、助言を求めたりして地域活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。

行動すべきは“自由人”のシニア世代

 実は、筆者はそのような視点で都下の拙宅の一室を地域に開放し、毎週土・日曜日、友人らの協力を得て、年金や介護保険、ボランティア、山歩きなどをテーマにしたミニ講座を開き、シニア世代のだれもが住み慣れた地域でいつまでも健康で人間らしい生活を送ることができるよう、ささやかな地域活動に取り組んでいます。

 また、自治体の支援を受け、地元のシニア世代とともに連絡協議会を設立し、情報交換したり、「シニア社会」の創造をめざす学会にも参加したりして、わが国における男女共同参画社会、さらには老若共同参画社会の形成をめざしていますが、みなさんもお住まいの地域にどのような人々がおり、かつ老後の生きがいの促進や社会参加に関わる情報、場所の提供、活動資金の助成などがあるのかを調べ、余暇を有効に活用して充実した人生を送ることができるよう、行動してみてはいかがでしょうか。

 とりわけ、自由時間に恵まれた団塊世代は今後、率先して余暇を有効に活用し、自立と連帯によって「新しい公共」をめざすべく、まずは身近な地域でソーシャルガバナンスに取り組んでいくことが望まれていると思われます。

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期待されるシニア世代(都下にて)


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プロフィール

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川村匡由
(かわむら まさよし)
社会福祉学者・博士(人間科学・早稲田大学)、行政書士有資格、福祉デザイン研究所所長。シニア社会学会理事、世田谷区社会福祉事業団理事、元大学基準協会評価委員、元社会福祉士試験委員。

主著に『地域福祉とソーシャルガバナンス』(中央法規出版)、『社会保障論(編著)』、(ミネルヴァ書房)、『人生100年"超"サバイバル法』(久美出版)など。山岳紀行家としても知られており、本サイトで「山歩きのすすめ」などを寄稿している。

川村匡由+福祉デザイン研究所のホームページ http://www.geocities.jp/ kawamura0515/

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