仙厓さんの禅画にときめく
2010年11月04日 14:50
●食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、八代亜紀、向井亜紀、水沢アキと、アキにもいろいろありますが、先日、9歳になる長男坊と、有楽町は帝劇ビル9階にあります出光美術館に行ってきました。
目的は、開催中であった「禅画」。
仙厓(せんがい)さん、という禅宗の高僧の生誕260年にあたるという本年、その水墨画を一同に集めた企画展です。
●岐阜の生まれで、博多で過ごしたこの禅僧は、老若男女誰からも好かれ、「描いてくれ」と言われたら、身分の分け隔てなく描いてあげたそうです。
惜しまれて87歳でその生涯を終えるまで、墨痕鮮やかに、書や画や賛(絵に添えられた言葉)を多数描き残していますが、味わいは何と言ってもその「ゆるやかさ」。
今風の言葉の枠に収めるのならば、「ヘタウマ」というのでしょうが、この技法は真似しようと思ってもマネできない、地味ですがソレを凌駕する「滋味」があるのです。
●「パパ、ぼくも行きたい」
9歳の子に水墨画、しかも禅画などわかるのかなと不安もありましたが、私以上に魅入っていました。
帰り道、「何が一番気になった?」との問いには、「□△〇の絵かなあ」とのこと。
おっと、仙厓さんを代表する作品じゃありませんか…。
「四角張って生まれた人間でも、修業を積むことによって角が取れて丸みを帯びてゆく過程」という解説。
思わず、わが子の頭をなでました。
「この子は天才かも」(親ばかです)。
美術は理解するものではなく、感じるものなんですね。
私も絵描きのはしくれ、じわじわと染み入る感覚、こんな「絵手紙」を描いてゆきたいものです。
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