ラッシャー木村さんの死を悼む
往年の名レスラーが、また一人この世を去りました。
ラッシャー木村さん。享年68歳。
早すぎる死であります。
私が初めて木村さんのお姿を拝見したのは、小学校5年の時でした。我が家がケーブルビジョンに加入し、東京のテレビ局が全部観られるようになったおかげで、「国際プロレス」の名を知ることができたのです。
思えば、私こと、根っからの「天邪鬼」。
大のアンチ巨人ゆえでしょうか、当時ジャイアント馬場さん率いる「全日本プロレス」や、アントニオ猪木さん率いる「新日本プロレス」という両メジャー団体よりも、ひっそりとテレビ東京という東京のローカル局でオンエアされている国際プロレスに、シンパシーを覚えたものです(やっぱり子供のころから変わっていました)。
そんな国際プロレスで、エースだったのが木村さんでした。
黒タイツの「力道山」を彷彿とさせるスタイルで、戦い方には、器用さや派手さはまるでありませんでした。
でも私は、真正面からぶつかってゆくその姿に、幼いながらもエールを送ったものでした。
木村さんのキャッチフレーズは、「金網の鬼」。
レフリーを外に置き、レスラー2人を金網に閉じ込めて行われるこの過酷なデスマッチには、ギブアップか完全ノックアウトしかありません。
恐らく、経営難だった国際プロレスの観客数増加のための苦肉の策だったのでしょう。
今思うと、ご本人の決め技は「クロスチョップ」でしたから、ロープの反動を利用できない「金網デスマッチ」は、正直不本意だったのではないかと思います。
それでも、営業サイドの思惑にも愚痴をこぼさずリングに上がっていたのではと推察すると、なんだか泣けてきます。
木村さん、安らかにお眠りください。
一足先に行ったジャイアント馬場さんと、天国でタッグを組んで、あの世にいるプロレスファンをずっと楽しませてくださいね。合掌。
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