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立川談慶の「談論慶発」

「鯨を食べる文化」と落語

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 我が家の小3と小1になる子供二人と私は、大の「くじらの刺身好き」。ジムの帰りに立ち寄る魚屋さんに、よく置いてあります。

 聞くところによると、くじらの赤身は、「高たんぱく低脂肪」のかなりの優等生なんですって。なるほど、子供は正直で、無意識のうちに身体にいいものを好きになるのでしょう。

 先日、そんな「日本の大事な食文化」を脅かすような映像が、テレビに流れました。そう、かの反捕鯨団体「シーシェパード」です。日本の調査捕鯨船に向かって、放水するなどして邪魔をするあのシーンですな。

 そんなニュースを家族で見ていて、子供にしみじみ言われました。
 「パパ、クジラって食べちゃいけないの?」
 「いいんだよ。日本人は古来クジラを食べてきたんだから」
 「じゃあ、なぜあの人たちはあんなことするの?」

 鋭い質問です。私はわかりやすくこう語りかけます。

 「いいか、落語に“一眼国(いちがんこく)”という噺があるんだ。はるか遠くに、『一つ目の人間の国』があるということを知った二人組みの男が、その国へ行って、『一人を連れ去って来て、見世物小屋に売り飛ばして金をもうけよう』とたくらむんだ。
 で、二人でその国に入った途端、逆に自分たちが捕まっちゃって、『この二人は珍しい。二つ目をしている。見世物小屋に売り飛ばせ』と言われちゃうんだ。
 いいか? 自分たちの考え方なんて、自分たちの間でしか通じないってことなんだ。だからいろんな考え方の人を、認めてあげなくちゃいけないんだよ」と。

 我ながら、「シーシェパードの愚かさ」と「落語の素晴らしさ」を同時に訴えた見事な説法でありました。
 皆さん、クジラは胸を張って食べましょう。「調査捕鯨」は、認められた適切な行為なのですぞ。うー、また食べたくなってきた(笑)。


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プロフィール
立川談慶
(たてかわ だんけい)
本名、青木幸二。1965年、長野県上田市(旧丸子町)出身。慶應義塾大学卒業後、株式会社ワコールに入社。1991年に立川談志18番目の弟子として入門(前座名『立川ワコール』)。2000年12月に二つ目昇進、談志により『立川談慶』と命名される。2005年より真打昇進。 落語以外にも、テレビ、新聞、雑誌等にレギュラーを持ち、またザ・コンボイ瀬下尚人氏とのユニットライブ「だんじゅり祭」(平成17年より毎年開催)にて、異色コラボレーションを展開中。趣味・特技は、雪駄タップ、かっぽれ、絵手紙。
《談慶公式HP》立川談慶の世界
http://dankei.desu.jp/
《談慶ブログ》裏相田みつを語録
http://yaplog.jp/dankei-uraaida/
《おかみブログ》ダンケシェーンな休日 家族から見た談慶の知られざる素顔?の日記
http://yaplog.jp/dankei-holiday/
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