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立川談慶の「談論慶発」

今こそ落語の力!

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 近頃、いろんな企業や団体様から、講演なるものを頼まれるケースが続いています。
 「この不景気だから落語を聞いて笑いたい」という欲求が、日増しに高まってきているのでしょう。してみると、ものは考えよう、この不景気にすら感謝したくなりますな。

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 私、そんな時はまず一発冒頭で、「悪戦苦闘してもなかなかよくならないのは、成功事例に捉われ過ぎているからではないでしょうか」とガツンとやります。
 「この際、少なくとも今日この講演の間だけでも、『成功』の二文字を忘れてみませんか。落語は、成功とは真逆の『失敗』だけで作られているのです」と、さらに続けます。

 たしかに、落語は人間の恥ずべき失敗だらけで出来ています。その登場人物も、「だらしなく、酒にも、女にも、博打にも弱い、どうしようもない人たちばかり」なんですな。
 これを、師匠談志は、「落語とは人間の業の肯定」とズバリ定義しました。

 つまり、「人間の弱さ、醜さ、汚さ、愚かさをすべて認めるのが落語」だと。
 つまり、「人間は、元々ダメなものだと訴えているのが落語」だと。

 これだけで肩の力が抜けるでしょ? 
 私もサラリーマン時代、上司からずっと、「成功事例を作って、それを波及することだ」と言われ続け、お得意先様にも同じ姿勢で臨んでいました。
 あれから20年。空前の大不況の今、皮肉にも、あのユニクロの柳井社長は、「成功事例を捨去る者こそが生き残れる」とその著書で訴えています。

 どうでしょう、ここで私と知り合ったのも何かのご縁、そんな気持ちであらためて落語に目を向けてみませんか?
 落語は、「失敗のデータベースに基づく人間工学」、そう「人生のワクチン」なんですよ。

 あ、この続きは、ぜひ私の落語会まで。何なら出張もいたしますよ(笑)。


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プロフィール
立川談慶
(たてかわ だんけい)
本名、青木幸二。1965年、長野県上田市(旧丸子町)出身。慶應義塾大学卒業後、株式会社ワコールに入社。1991年に立川談志18番目の弟子として入門(前座名『立川ワコール』)。2000年12月に二つ目昇進、談志により『立川談慶』と命名される。2005年より真打昇進。 落語以外にも、テレビ、新聞、雑誌等にレギュラーを持ち、またザ・コンボイ瀬下尚人氏とのユニットライブ「だんじゅり祭」(平成17年より毎年開催)にて、異色コラボレーションを展開中。趣味・特技は、雪駄タップ、かっぽれ、絵手紙。
《談慶公式HP》立川談慶の世界
http://dankei.desu.jp/
《談慶ブログ》裏相田みつを語録
http://yaplog.jp/dankei-uraaida/
《おかみブログ》ダンケシェーンな休日 家族から見た談慶の知られざる素顔?の日記
http://yaplog.jp/dankei-holiday/
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