聞き間違いは落語の基本
先日、とある団体さんの司会を務めてまいりました。
あ、私、落語以外でも司会の仕事を承っています。
「ぜひお願いしたい!」という方がいらっしゃいましたら、「けあサポ編集部」まで(笑)。
さて、その司会も終盤が近づいてきて、主催者のお一人が、私のそばに寄って来ました。
何やらニコニコして来た様子から、即座に「ご祝儀かな」と期待したのですが、彼は私の耳元で小さな声でこうささやきました。
「談慶さん、実は私、こっそり商売しているのですよ」
「え? どんな商売ですか?」(つられて私も小声になります)
「私ねえ、『牛角』やってるんですよ」
私は、何とこのとき、「牛角(ぎゅうかく)」という焼肉屋のチェーン店を、「遊郭(ゆうかく)」と聞き間違えてしまいました。
したら、「え、遊郭ですか?」という私の問いかけに、何と向こうも、「ええそうです」とさらに聞き間違えたのです。
以後、スゴイ会話が続きました……
彼は言いました。
「今度、ぜひこっそり来てください。サービスしますよ」
「アハハハ、じゃあ、お願いします。でも、近頃病気とかは大丈夫ですか?」
私は病気を心配しました。
「ええ大丈夫です。みんな検査していますから」
と、彼は病気=狂牛病と判断したのでした。
「それなら楽しみですね」
「談慶さんはどんなのが好みですか?」
「脂が乗ったのかなあ」と私が調子こいて言いますと、
「じゃあ、今度奥様やお子様と一緒に来てください」
「???」
何言ってるんだ、この人……。
いくら芸人がさばけているからって行けるわけないよ!?
と、まあこのあたりから、お互いのズレをやっと認識し始めたのでした。
「言い間違い」から「聞き間違い」。いやあ大笑い。
これは笑いの基本なんだなあと、あらためて実感した次第です。
あ、皆さんも、面白い聞き間違いなどありましたら、これまた「けあサポ編集部」までお願いしますね。
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