Letter56「私が受けたい治療に家族が反対している その3」
2011年02月09日 09:30
前回の続きです。Bさんはがんの手術後で、再発していることを医師から告げられました。RさんはBさんの娘です。Bさん夫妻はRさんに病気のことについて心配をかけたくないと思っていました。また、医師のことを信頼していました。
しかしRさんは違いました。これまで真面目に外来通院をし、決められた薬は飲んできたと両親は言っています。それなのになぜ再発するのでしょうか? また、これ以上治療できないとはどういうことなのでしょうか? 東京郊外に住んでいるから医療格差があるのでしょうか? 東京の専門病院へ行けばもっと最新の治療法が受けられるのではないか、再発したのはこれまでの診察に見落としがあったからなのではないか、そう思いました。そこでたくさんの書籍を買い込み、インターネットで情報収集を始めました。そして医療コーディネーターを見つけ、相談を持ち込みました。
Rさんの相談内容は「父(Bさん)は治療を諦めています。父に都会の病院で最新の治療を受けてもらうよう説得してもらえないでしょうか?」というものでした。医療コーディネーターは家族からの相談はお受けしますが、治療を受けるか受けないか、といった医療に関する意思決定はあくまでも医療を受けるご本人が行うものであると認識しています。そのため、Rさんの提案を受けることはできないとお伝えしました。その代わり、RさんとBさんご夫妻で今後の治療について話し合う機会に同席するので、Rさんの考えをBさんに伝えてみてはどうかと提案しました。Rさんは家族だけでは纏まらないこともあるから、と言ってこの提案を了承しました。
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