ページの先頭です。

岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter36「リレー・フォー・ライフをご存知ですか?」

 皆さんは、リレー・フォー・ライフhttp://www.jcancer.jp/relayforlife/というイベントをご存知でしょうか?これからの週末、日本全国各地で一斉に開かれるイベントです。

続きを読む

 がんサバイバー、ケアギバー(家族、遺族、支援者)がともに歩き、語らうことで生きる勇気と希望を生み出したいという思いを込め、1985年にアメリカで始まり、日本国内では2006年9月、つくば市で第一歩を踏み出しました。

 このイベントは、大きな会場を2日間借り切って、24時間絶えることなくリレーをつなぎ、歩き続けます。その周囲ではテントを張り、がんについて知ることの出来るイベントや、互いを元気づけるイベント、募金のためのイベントが開かれます。地域によっては、食事をしながらの交流もあります。また、日が落ちてからは、ルミナリエ(メッセージを託したキャンドル)に火を灯して、がんで亡くなった人たちを偲び、また、現在がんと闘っている人たちへの思いを託して祈りを捧げます。

 ここまで読まれて、「何だ、自分とは関係ない」と思った方がいらっしゃるかもしれません。しかしこのイベントの本質は、いのちの大切さ、連続性、人と人との関わりを伝え、感じるものです。どなたにも通じるものだと私は思っています。

 私は2008年の横浜、2009年のさいたまと参加しました。参加する前は、ただ歩くだけのイベントがどんな力を持っているのか、半信半疑での参加でした。しかし、たくさんのサバイバーとケアギバーが、同じ時間、同じ場所に大勢集まること、同じ目標を持って歩むことで、素晴らしい連帯感をもたらすのだ、と実感しました。また、読み聞かせやペインティング、フリーマーケットや食事など、イベントとしても楽しめました。

 そして、時間が許せば(午後4時、5時ごろスタート)是非ルミナリエに書き込まれたメッセージをお読み下さい。まるでキャンドルの一つ一つが誰かの命の灯のように感じてくることでしょう。キャンドルの灯りは、日本の灯篭のような厳かさを感じます。

 このイベントが地域を巻き込んだお祭りのように広がり、がんになった人は特別ではなく身近であること、そして、いのちや人と人との関わりを感じることを通じて共に良い社会をつくっていこうと考えるきっかけになると思っています。

 この週末、あなたのご自宅の近くで開催してはいませんか? お祭りに顔を出すつもりで、是非一度足を運んでみて下さい。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

コメントを投稿する




ページトップへ
プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
楽患ナース[治療や病院選びの強い味方]
メニュー
バックナンバー

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books