Letter23「患者さんの強い味方:看護師を知っていますか? その3」
常に患者さんの一番近くに寄り添い、力になろうとしているのが看護師です。前の2回のコラムでは、第2回ナースオブザイヤーの結果をご紹介しながら、看護師がここ10年で活動の幅を広げていることをご紹介致しました。
このイベントは、推薦によって選ばれた11人のノミネート者の中から、ナースオブザイヤー賞(市民が看護に求めていることを実践している方)インディペンデントナース賞(新たな可能性を感じさせる看護師)を市民がインターネット投票によって選出しました。投票の際には記述欄が設けてあり、1764票(882人)からの投票理由を元に“市民が求める看護師像2010”を明らかに致しましたのでここにご紹介します。
“市民が求める看護師像2010”は、“患者に希望を灯すナース”です。
患者や医療者として長く医療に関わっていると厳しい現実に身動きがとれなくなります。現在の医療でできること、病院の中でできること、これらが固定概念のように頭に残るのです。一方、多くの市民も、患者のたらい回し、医師や看護師不足、病院の倒産といった医療崩壊のニュースは枚挙にいとまなく、医療に対する不安を増大しています。
今回のナースオブザイヤーに寄せられた投票理由には、
「夢、病気の子どもたちはえてしてそれを失いがちです。どうせ、だめ……そんな足かせを解いてくださりそう」
「医療にとって正しいことが、必ずしも患者にとって楽しいこと(=正しいこと)とは限らない。そんなことに気づかせてもらえる」
「しゃべることもできず意思疎通することもできない。そんな患者さんたちの『生きている心』のケアにつとめ、心で何かを感じてもらおうとしている」
「連れて帰っても一人ではどうすることも出来ない私でしたが、こうして彼女の実行力を見ていると、どんなにか救われる人がいるだろうかと応援したくなります」
「自分はどうやって死んで行くのだろう……誰も知らない病院で死んで行くのだろうか。その将来を考えたときとても不安になります。自分の家で穏やかに死ぬことが、なかなか実現できていない日本では、とても重要な役割をされていると思いました」
とあります。
厳しい医療の現実の中でも、心のどこかで市民はささやかな希望を求め、それに応えるナースに喝采をおくるのだと感じました。
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