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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter12 「納得できる医療を受けるにはどうしたら良いですか? その3・有効例編」

 前回は、納得医療がうまくいかなかった「失敗例」をご紹介致しました。今日のお便りでは、患者自身が納得して医療を受けることができた「有効例」をご紹介致します。

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 50代の男性のがん患者さんの体験談です。この方も医療コーディネーターが相談を受けた実際の話です。

 「毎年会社の健康診断を受けて問題ないと言われていたのですが、胃の不快感のために近くのクリニックを受診したところ、胃がんと診断されました。しかも進行性の胃がんで、すでに手術は出来ないとのことでした。

 このような状況であるにもかかわらず、医者は当事者である自分に、いきなり病名と手術出来ない事実を告知しました。私は、患者の気持ちに何の配慮もしない医師に憤りを感じました。
 最後に受けた健康診断からたった一年しか経っていないのに、手術できないほど胃がんが進行していたとは到底信じられませんでした。
 手術以外にも何か良い治療の方法はあるはずだ、でもどう探したら良いか分からない、そこで以前より何かあれば利用しようと思っていた医療コーディネーターへ相談しました。

 私は、「がんの専門医からセカンドオピニオンを受けたい」「最新の治療法について知りたい、そして何か治療があるのであればそれに賭けたい」「もし聞けるものなら、 自分に残された本当の時間を知りたい」と医療コーディネーターへ訴えました。

 まず、その医療コーディネーターと医者の告知とその発言の背景について話し合いました。次に、もしも主治医を変えたいのであれば、私がどのような医師を求めているのか、現実的に転院は可能であるのか、といったことを話し合いました。

 その話し合いの中で、私が医者に望んでいることは、次の2つであることが見えてきました。

1.本当のことを話してくれる医者であること
2.最新の治療や代替医療など、試してみたい治療について理解があること

 それから、二人で具体的なセカンドオピニオン先の病院を検討しました。

 次の受診日、私はセカンドオピニオンを希望していることを主治医へ伝え、紹介状や検査結果を用意してもらいました。そして一週間後、私と医療コーディネーターは、がんの専門病院へセカンドオピニオンに行くことになりました」
(次回へ続く)

 この方も、前回のがん患者さんと同様に、健康診断を受けていたにもかかわらず、がんの発見が遅れてしまっています。医療に対する憤りも同じようにもっています。
 がんの告知を受けた後、医療の専門家に相談し、セカンドオピニオンを希望しています。次回は、その続きを記します。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
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