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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter 6 「セカンドオピニオンは取った方が良いのでしょうか?」

 セカンドオピニオンという言葉が広まってきたと感じます。数年前まで「セカンドオピニオンって何ですか?」という質問が多かったのですが、最近は「セカンドオピニオンは取った方が良いのでしょうか?」「どこで取れば良いのでしょうか?」という質問に変わってきました。とはいえ、まだセカンドオピニオンの意味をご存知ない方も多いかと思います。

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 セカンドオピニオンとは、今かかっている医師(主治医)以外の医師に求める第2の意見のことをいいます。

 セカンドオピニオンが市民権を得てきた背景には、従来の「医師お任せ医療」ではなく、インフォームド・コンセント(説明と同意)を受け、「患者自身も治療の決定に深く関わる医療」に変わってきたという社会背景があります。

 医療は日進月歩で新しい治療法が次々に生まれています。その全てを一人の医師が把握しているとは限りません。また、医師や医療機関によって患者に提供すべきだと考える治療は同じとは限りません。医師や病院によって、提供できる医療内容に限界がある場合もあります。そして患者も受けたい治療は人それぞれ多様です。

 そこで、主治医とは別の医師の意見を聴いて、治療を見つめ直そうというわけです。基本的にセカンドオピニオンは主治医に持ち帰り、その上で最善だと思える治療を主治医とともに判断します。

 主治医との関係が悪くなることを心配してセカンドオピニオンを言いだせない、という方も多いのですが、基本的には心配する必要はないはずです。前述したように“主治医と共に治療を選択する”ということがセカンドオピニオンの前提だからです。患者と医師の間で治療を行うためには信頼関係が必要です。可能な限り自身の気持ちを医師に素直に伝え、通じ合う人間関係を構築していくのが望ましいと私は考えています。

 しかし、現実的な問題としてセカドオピニオンの意義を正しく理解していない医師や、偏ったプライドの医師がセカンドオピニオンを取得したいと申し出た患者に対して転院を薦める場合がありますので、そこは医師を見極める必要があります。そうした医師と共に今後の治療を続けていけるのかどうかを吟味する必要がでてきます。場合によっては転院も選択肢になるでしょう。

 的確なセカンドオピニオンを受けることで、自分が選ぶ治療にどのようなメリット・デメリットがあるのかを多角的に知ることが出来ます。セカンドオピニオンは、納得のいく治療を選択するための有用な手段といえます。

 なお、すでに医師と信頼関係があり、今後の治療方針に納得されている場合には、セカンドオピニオンを取得する必要性を感じない方もいらっしゃいます。

 次のお便りは、セカンドオピニオン取得の際のコツをご紹介いたします。2月24日更新の予定です。


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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
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