ダメ出しコミュニケーションの社会心理 対人関係におけるネガティブ・フィードバックの効果
ネガティブ・フィードバックといわれると「?」ですが、本書で扱うテーマは、要するにいわゆる“ダメ出し”。「あなたのこんなところが悪いと思う」「ここは直したほうがいい」――このように相手の欠点や足りないところ、弱点といった悪いところを指摘するのは、よほど気のおけない友人でもなければ難しいことでしょう。特に、日本の社会では、直截さを良しとしない傾向もあります。とはいえ、実際に人としての成長につながるのは、耳に痛い言葉だったりするのも現実です。
そうしたダメ出しの持つ「力」を、コミュニケーションのなかでどう上手に活かしていくか――それが本書の眼目です。
自分のことは分かっているようで分からないもの。特に、悪い部分は無意識のうちに見ないようにしてしまうこともあります。そこで役立つのが他人からのダメ出しという訳です。改善する必要があるところに気づき、改める努力をすればより良い自分を引き出すことができるのです。
もちろん、ただ単にダメ出しをするだけでは険悪になる可能性もあります。必要なのが、関係性、場面を考えながらのダメ出しの「良い言い方」です。本書では、社会心理学に基づいた「ダメ出し力」を引き出すコミュニケーション法についても学ぶことができます。
(by ウリノヴィッチ)