パーソンセンタードケア講座 認知症がある人と関わるためのはじめの一歩
夕飯の支度をしないといけないので、もう帰りたいのですが……」
「知らない人とお風呂には入りたくないのです……」
「パンツに便がついてしまったから、恥ずかしくて、こっそりタンスの奥に隠しました……」
こうした発言はごく普通のことで、私だってそう思うし、言うと思います。
しかし、「認知症」という病名がつくと、「BPSD」「問題行動」とされてしまいます。
それはおかしいと思いませんか?
認知症のお年寄りの行動には、それぞれ意味があり、やりたいこと、したいこともたくさんあります。
そんな認知症の人の思いに心を寄せたケアを「パーソンセンタードケア」といいます。
この本は、著者である寺田真理子さんが「パーソンセンタードケア講座」の内容を書き起こして、読みやすくまとめたものです。
「他人事と思われがちな認知症。だけど本人たちは不安の中で日々葛藤しています。その気持ちに寄り添えるように、理解へのかけ橋となるようにとの思いをこめて刊行させていただきました。実際に講座に参加しているような感覚で読み進めながら、認知症がある人の気持ちに少しでも寄り添っていただけることを願っています」と著者は語ります。
本文は話し言葉で、ご自身の体験も踏まえて、とてもわかりやすくまとめられています。
読み終わるとほっとして、明日から「できることから始めよう!」という前向きな気持ちになります。
認知症のある人と関わる初めの一歩として、お勧めの1冊です。
(by てらこ)