「海馬」−脳は疲れない−
「ほら、あのときの俳優さん、何て名前だっけ?」「あれに出てた人でしょ。あ〜ここまで出てきてるのに!」。こんな会話が日常的になってきた今日この頃。なんだか脳まで老け込んできたなと落ち込みつつ、「ところで脳ってなに?」ということで、以前友人に薦められたこの本を読んでみることにしました。
海馬とは脳の中でも記憶を扱う部分で、その大きさは小指ほど。 先ほどの話は池谷先生によると、こどもが10の記憶の中から1つを取り出すのに対して、大人は1万個の中から1つを取り出さねばならず、少々時間がかかっても仕方がないことなのだそうです。
また、海馬の働きによって、人は30歳を過ぎたあたりから、物事を関連づけて発展させる能力が飛躍的にのびるのだとか。それはつまり、どんどん頭がよくなるということ。しかもこの海馬、刺激を与えればその神経細胞は年を取っても増え続けるというではありませんか!そのためにも、新しい経験を恐れてはいけませんね。
難解なことをわかりやすく、かつ興味深く表現できる人の頭の良さには惚れ惚れしてしまうものですが、まさにそんな文章(二人の会話)を読んでいるうちに、脳細胞がひとつひとつ目覚めていくような快感と、年を取るのも悪くないという安心感に満たされました。
いい気持ちで読み終えて、本を棚に並べようとしたら、隅っこに数年前に友人に薦められたときに買った同じ本が・・・。こ、これって老化じゃないんですよね?
(by まめたま)