いのちをいただく
そう言葉にすると、他人事のようで、あまり心にズキンと来ません。毎日、そんなことを意識して食事をしていません。
だからお腹いっぱいだからとか、ダイエット中だからとか、時間がないからと言う理由でちょっと残してしまいます。
少しだから、いいじゃん。悪いとはわかっていても、説教臭いのは嫌。あたりまえのことだけど、他人に言われるとどうも逆らいたくなる。そんな気持ちもよくあることです。
この本の主人公は、食肉加工センターの坂本さん。どこにでもいる、ふつうのお父さんです。心のどこかで「もうやめようかなぁ」と、自分の仕事があまり好きではありません。
あるとき、子どもの参観日がありました。親の職業を「肉や。ふつうの肉やです」と答えた息子をみて、坂本さんは「そうかぁ」と思います。
しかし、息子が家に帰って来て、先生に言われた話を坂本さんにしてくれました。それを聴いて、坂本さんは、「もう少し、やってみようかなぁ」と思うのです。
いのちの大切さ。この本が伝えたいことはそこから端を発し、家族・学校・地域・社会にさまざまなかたちで広がります。幾通りにもあらわれるメッセージが、子どものこころにもおとなのこころにも響きます。(by こゆき)