異国の客
沖縄・玉城村から、フォンテーヌブローというフランスの内陸にある小さな町に移り住んだ池澤さんも、フランス人の気質について、日本との違いを見いだします。
例えば、1995年、失業対策の棚上げと福祉削減を提示した政府に対する交通ゼネストは3週間、フランス全土に及んだそうです。バスも地下鉄も電車も全部動かない事態に対し、新聞アンケートによれば62%の人がストを支持したとか。日本だったらなかなか考えられないことです。
主義主張をきちんと表明し、そのメッセージを一人ひとりがきちんと受け取り、考え、話し合う。そしてそのボールをまた投げ返したり、別の人に送ったりと、議論の輪が大きな弧を描く様をみるようです。
池澤さんは、「民主主義とは本来こういうものであったかと納得した」といいます。
折しも、日本の根幹が大きく変わろうとしている今。私たちは冷ややかな傍観者ではなく、その動向を当事者として見守るべき時にあります。大いなる期待を込めて。(by こゆき)