かがやく日本語の悪態
悪態、つまり悪口ってなんだか卑怯だとか、相手を傷つけるといった感じがして、あまり口にしてはいけないって思いがちだが、魅力的な悪態には様々な効果がある。
酒の席でいちばん盛り上がる話題は他人の悪口っていうのは事実だし、悪口を言うってことは、自分の腹の中を他人にさらけ出すということであり、そうしたことからより親密なつきあいが生まれる。また、不平、不満を口にすることはストレスを解消する効果もあり、そこにユーモアが加われば周りにも笑いをもたらし、世の中の潤滑油の役割を果たす。
とかく相手を傷つけないようにしながら生きていくことが求められがちな昨今、悪口が相手を傷つけるからと言って全否定され、消滅したのでは却ってこの世の中が幸せになれないような気がする。
本書に見られる悪態の中では、特に方言に見られる悪態が独特のリズム感を感じさせ魅力的だった。できれば活字で読むのではなく、地元の人が話しているところを聞くことができればさらにその良さを感じることができるのではないだろうか。
文句の一つも言いたくなるいまの世の中。いろいろ言ってやりたいんだけど、うまく言い表すことができなくてもどかしい。あ〜気持ちのよい悪態がつけるようになりたい。(byうしお)