メディア・バイアス
あれから約2年半がたち、現在ではメタボリック対策の影響か、ダイエット関連の番組が多いように思います。以前と比べ、ダイエット法を詳しく取り上げるよりも、ダイエットに至る動機付けに焦点を当てるなど、番組作りにも苦労の跡がみられます。
けれどなかには、いまだ芸能人にみかんやグレープフルーツだけを食べさせ、1週間でどれだけ痩せられるかなどを面白おかしく紹介するのもあり、案の定、翌日のスーパーではグレープフルーツの山が忽然と消えていました。
本書では“健康”食品ブーム花盛りだった当時、どのように番組がしかけられ、そこに取り上げられた研究者たちがどう踊らされたか、受け手である消費者が情報をもとにどういう行動に走ったかが克明に記録されています。
あの空騒ぎがひと段落した今こそ、冷静さを保つためにも振り返りたい1冊です。(byこゆき)