出社が楽しい経済学
特に印象的だったのは、経済学用語である『比較優位』について解説している項目です。営業も事務仕事も得意なAさんと、営業も事務仕事も不得意なBさんがいるとします。その場合、Aさんに両方の仕事を任せた方が効率的なのでしょうか。その答えのカギが『比較優位』です。
答えを言ってしまうと、AさんとBさんが仕事を分業した方が効率的だということなのですが、本書では、数字を使った実例でその答えを分かりやすく解説してくれています。
著者は「私たちが働くとき、他人に比べて絶対的に優れた技能を持つ、職場のスターにならなくても、自分が持つ技能の中で、相対的に優れたものを見つければ、誰でも、大きな価値を生み出す仕事ができる」と言っています。自分は他の人より劣っている、会社にとっていらない人間なのではないかと落ち込んでいる人に対して、経済学の観点からそんな悩みを打ち消してくれる本です。
この本を手にとり、経済学の視点から仕事を見直してみると、きっと毎日の出社が楽しくなりますよ。(byたつのすけ)