われらカレー党宣言
発行:世界文化社
ISBN:978-4-418-93502-4
価格:¥1,223(税込)
人それぞれ、カレーについては並々ならぬ思いがあるだろうと踏んでいた矢先、こんな本に出会いました。41人の文化人・著名人が思い思いにカレーについて書き綴った、カレー・アンソロジーです。
内田百閒は帰りの電車賃がなくなるのを覚悟でカレー一皿に全財産をつぎ込み、向田邦子は短気な父親と囲んだ食卓をカレーの香りとともに思い出します。山本嘉次郎は蕎麦や鮨も絡めながらライスカレー文化について語ります。東海林さだおは作りたてのカレーうどん並みに熱く和風カレーについて論考を重ねます。
違いが際立つのは、カレーが先かライスが先か論議、グラスに入ったスプーンはアリかナシか、そして自家製カレーの作り方です。
各者一歩も譲らず、いわば言いたい放題で終わるこの1冊、カレー製品で有名なS&B食品株式会社の創業70周年記念事業の一環で編纂されたもの。よくぞここまで集めたと感嘆するとともに、日本人はカレーがよほど好きなのだなぁと、お昼にカレーを食べながら思うのでした。(byこゆき)