ふふふ
ただ今回の著者については特に興味があったわけでもなく、装丁と「世の中を、嘲いに嗤って笑い倒す当世の『徒然草』」という帯に惹かれて買っただけなのだが、話題は政治、プロ野球、芸能など様々。
本書の中で私が強く感じたのは、著者の怒り。ただそこには辛辣ながらもユーモアが利いているので、読んでいるとその怒りに共感つつ出てくるのは思わず「ふふふ」という小さな笑い。
考えてみると、世の中、怒ることが下手になっている気がする。怒ることに苦手意識というか、どうやってこの怒りを表せばいいかわからなくなっているというか。腹が立ってもなんとなくやり過ごし、大人の対応だってフリをして、そのうち理不尽な仕打ちにもどうにもならないってあきらめ、そうかと思うと突然積み重なった怒りが爆発して、誰彼なく他人を傷つける。
誰しも腹が立つことはたくさんある。その怒りを他人に伝えることは、自らに責任を持つことであり、自らを奮い立たせる原動力ともなる。知らず知らずのうちにそういうものを避けてきた自分に気づかされる。(byうしお)