僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活
でも、本書はタイトルからもわかるように重苦しくない。相手をなんとか理解しようとする、お互いに対する強い「愛」が感じられ、前向きな姿勢があるから、その生活は刺激に満ちていてむしろ楽しそうにすら感じられる。
『どんな時も決してあきらめない妻を見ていると、たとえ妻のマイナス面ばかりがあまりにも大きく見えるときでさえ、この結婚生活をあきらめ、妻のプラスの面を失ってしまうのは、僕自身にとってもあまりにももったいないという気がするんだ。』という夫の正直な言葉はすべての結婚生活において忘れてはいけない言葉だと思う。
夫に迷惑をかけないようなんとか地球人のフリをしようと努力する異星人妻はもちろん、相手の気持ちを理解できない異星人妻からカチンとくる一言を言われても我慢するこの地球人夫も立派だなあと感心して読み終えたところ、あとがきで種明かしが。実はこの作品、高機能自閉症の妻本人が夫の目線から描いたものとのこと。
高機能自閉症が少しわかったような、ますますわからなくなったような。(by うしお)