おひとりさまでもだいじょうぶ。
私は、天涯孤独の(なぜか)男性とか、身寄りのない寝たきりの高齢者が、誰にも気づかれずに亡くなっている姿を思い浮かべます。
しかし、「孤独死」をする人はそういう人ばかりではありません。1人暮らしの人が誰にも看取られずに突発的に亡くなるのが「孤独死」です。そう、1人暮らしの私も、田舎で1人で暮らしている私の父も、「孤独死」してしまう可能性があるのです。
しかし、問題はその後です。亡くなったことが誰にも気づかれず、数日、長い時には半年以上経って、異臭に気づいた隣人から大家さんに通報がいき……という悲しいケースもあるそうです。そうならないために、普段からどのようなことに心がけていればいいか、この本には、そのためのヒントが書かれています。
著者の吉田太一さんは、「天国へのお引越し」というキャッチフレーズで、日本で初めて「遺品整理」の専門会社キーパーズを立ち上げました。ご遺族は大切な人を亡くした直後に遺品整理をするのが心身ともに辛いときがあります。また、高齢や遠方に住んでいるために、遺品整理ができないこともあります。そのようなときに、代行して遺品整理をするのがキーパーズの仕事です。
仕事がら吉田さんは、「悲惨な孤独死」の現場に足を踏み入れます。これまで100件以上のそうした現場を見るうちに、ある共通点を発見したそうです。どのような人が「悲惨な孤独死」に陥りやすいのか、どうすればそれを避けられるのか。本書は、「悲惨な孤独死」の現状をリアルに示し、その上で、それ避けるために今日からどう生きればいいかを提案しています。
吉田さんの思い、それは「悲惨な孤独死」を減らすことです。本書を読むと、「なるほどなー」と思うことがたくさん出ています。今日から生活習慣を改めて、人付き合いを良くしよう。まずは、久しぶりに実家の父に電話でもしてみよう。そうか、孤独死を避けることは、人を大切にすることなんだと実感する1冊です。(byてらこ)