老親介護とお金
いま、ちまたでは「介護地獄」や「介護心中」など、陰惨なことばで語られがちなこのテーマですが、どうしたらそんなことにならないで済むか、自分の生活水準もおとさず“戦略的”に介護をするか、その知恵がつまった1冊です。
チーム制、情報収集、明確なビジョン(目標)をもち、介護のプランを立て、モニタリング・軌道修正といった、通常ケアマネジメントプロセスで語られる技術を、家庭介護に落とし込んだところに、この本のおもしろみがあります。
「親は大切」「子どもが老後の面倒を見るのは当たり前」という感情論だけでは、上記のような介護地獄となりかねません。
介護のプロが連携しながら行う「介護」の考え方を、家庭介護に移入することで、家族ならではの温かみやきめ細やかさをもちながら、冷静な判断や実行をともなう、あらたな介護のかたちをみたように思います。(byこゆき)